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ゆかいな仲間たち  作者: はやはや
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天使の置物

 大学時代に所属していたサークルの先輩から聞いた話だ。

 先輩が結婚したばかりの頃だったと思う。旦那さんのお母さんが、結婚祝いだか新居祝いだかに、プレゼントをくれたという。

 先輩はおそらくシンプルな暮らしに憧れていて、あまりものを置きたくないようだった。

 でも、プレゼントをもらった手前、開けないわけにもいかず、その場で開けたらしい。


 中から出てきたのは、


 天使の置物だった。なぜか小首を傾げている。そして色合いも(先輩の言葉を借りると)あり得ないくらいダサかった。 


 らしい。


 何もコメントをしないのも申し訳ないと思った先輩は、「素敵です! 飾ります!」と早速玄関にそれを飾った。


 お母さんが帰ってからも、どうしても天使が許せなかった先輩。でも、お母さんの訪問時には、飾っておかなければならない天使。

 話を聞いていて、天使なのに悪魔みたいだなと思った。


 そこで、先輩は考えた。嫁姑の間に溝を作らず、天使を箱に戻す方法を。


 それは天使を飾る場所を一週間ごとに、部屋の奥にしていき、最終的に箱にしまい込むという方法だった。

 始めの一週目は玄関。

 二週目はリビングのよく見えるところ。

 三週目はテレビ台の上。

 四週目は棚の中。


 四週目の時点で先輩に会って、この話を聞いたのだった。

「来週、やっと箱にしまえる……」

 そう話す先輩は、秘密のミッションのクライマックスを迎えるような表情でつぶやいた。


 その後、おそらく天使は小首を傾げたまま箱に入れられ、眠っているはずである。先輩から「失敗した!」という連絡がなかったから。

 読んでいただきありがとうございました。

 ここに登場する方の中には、長らく会えていない人もいます。この物語を書きながら、また会いたいなと思いました。

 そして、またいろいろ話して、楽しい時間が過ごせたらいいなと思います。

 

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