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手のひらサイズの姫様はいかがですか?

久しぶりにこんにちわです。

めっちゃ久々なので色々とおかしいと思いますが暖かい目で見守ってください!

 ―――それはいつも通りの日常に起こった非日常。



「くぁぁぁっ…んにゃ……」

 雲一つない快晴の朝。この男、安代あじろはじめ は眠たい目をゆっくりと擦りながら、お気に入りのプレイリストを再生させ、それを両耳に響かせると、今日も今日とて辛い学業にへと勤しむのだった―――





 「おっーす!おっはー!!」

 お気に入りの音楽を穏やかな気持ちで聴いていた俺の背後からの大きな声とずっしりとした重さが俺の両肩にダメージを与える。

「おもっ…!?」

 体の重心を後ろにグイッと持っていかれ、何事だと思い、バッと振り向くとそこにいたのは校則が緩いのを良いことに金髪にピアス、指輪などの装飾品たちを身に付け、サッカー部で顔面偏差値が最強クラスで関西弁の……とにかくキャラが濃い

 いかだ 三輝みつき

 いつ見てもこいつは最強で少女漫画のキャラかと思うし男の俺でも惚れてしまいそうな…

「おっす。今日も朝マックか?」

「いぇっす!朝はこれがないと始まらんからさ!司も食う?」

 太陽のようにギンギラとした笑顔をこちらに向けてはハンバーガーを差し出してくる。

「おう、ありがたく貰うよ。……あ、そういえば1年最初の定期試験は大丈夫なのかよ。明日からだぞ」

 俺がそう言うと優也はハンバーガーにかぶりつこうとしていた大きな口をポカーンと開けながらゆっくりとこちらを向き、マジかよという目で見てきた。

「え、テストまであと二週間は無かったっけ!!あれ、もしかして俺やばい!?」

「ちょっ…と…揺らすなっ…酔う…」

 こいつは昔からそうだった。イケメンで運動神経抜群。そして誰にでも優しい裏表の無い誰からも好かれるような性格。だが欠点が一つ…

 とてつもなくバカ。

「やばいやばい!今日の放課後勉強会しよ!司まあまあ頭ええんやし教えてや!!」

「まあまあとか言うな?…はぁ、まあイイケド。いつもみたいに勉強飽きたーとかいって遊ばないならいいぞ」

「よし。んじゃあ決まりやな!」

 俺と優也はそんな約束をするとハンバーガーを頬張りながら学校へと続く道を歩いた。




「―――ってことで明日から定期試験だからしっかりと追い込み勉強をするように。じゃあ起立」

 明日からは定期試験と言うこともあり午後の授業が短縮され、午前だけで帰れるようになっていた。

 これで勉強をする時間が増えるというものだ。

「よーし。はじめ〜!午後カットされたし遊ばん?」

「…勉強会は?」

 早速遊びに行こうとするアホを俺は呆れた目で見るがこいつはヘラヘラとしながら説明を始めた。

「まあ聞いてや。勉強するのにもさ?休憩が必要やと思うねん。だからとりあえずは遊ぼうっていう話やん」

 勉強をしないと休憩の意味がないのでは。とか思ったがなにかもう全てが面倒くさいので心にしまっておいた。

「はあ……そんなので補習になっても知らないぞ?まあ俺は明日の教科は完璧だが」

「まあ明日の事は明日にしか分からんからな!とりま遊ぼうや」

 俺はアホの勢いに押され「はいはい」と適当に返事をして遊びに行くことが決定した。





「…はい。ということでカラオケに来ましたー!!」

「ガチで遊ぶ気満々じゃん」

 そんなツッコミを他所に優也は曲をじゃんじゃんと入れていく。一曲二曲…さらに三曲と…

「おい。俺も入れるんだから入れすぎ注意だぞ」

「おけおけ〜。あ、ドリンクバーからジュース持ってくるけど何飲む?」

「メロンソーダ」

「かしこまりっ」

 優也はビシッと敬礼するとスタスタと部屋を出ていった。

「さて…アニソンでも歌うか…」

 俺は鼻歌を歌いながらタブレットを手に取り、大好きなアニソンを入れていると、さっき優也が入れた曲が流れ始めた。

 なんか流れたしどうしようかと考えているとなんか廊下が騒がしい。遠くからドタドタと誰かが走る音が聞こえ、だんだんと近づいてくる。そしたらすぐにこの部屋の扉がバンっと勢い良く開いた。

はじめ!マイク!」

 持ってきたジュースを手早くテーブルに置くと、渡されたマイクを手に持ち、息切れしながらも曲の途中から歌い始めた。

「忙しいやつだな…」

 ボソッと小言を言いながら俺は目の前に置かれたジュースを手に取ると…色がおかしい。明らかに泥みたいな色をしている。

「…なあ、これ…なに?」

「えっ?メロンお茶コーラ炭酸水抹茶」

 え、何作っちゃってんの?

「だいたいなんで俺だけおかしなジュースでお前が普通のコーラなんだよ」

 三輝のグラスに入った普通の綺麗なコーラを眺めながらそう言うと。

「いや、カラオケバトルして負けた方がこれ飲もうかなーってな?」

 ケロっとしながら三輝はそう説明する。

「じゃあ俺用の普通のジュースも持ってこようか?」

「あっ…」

 シバいたろかこいつ。




 ――カラオケを十分に楽しみ夜マックに行った後。俺たちはある場所に来たのであった。

「懐かしいよな!この河川敷!!」

「せやな」

 三輝は一人テンション高く川に向かっては水切りを始めた。

「よーしっ!はじめ見た!?今十五回くらい跳ねたぞ!!」

「暗くてあんま見えんよ」

 まあ、月明かりの影で見えていたが本当に十五回くらい跳ねていた。

「すごいな…」

 こいつは昔からなんでもできたんだよなぁ…ただし勉強を除いて。

「この河川敷やったっけ?俺らが仲良くなったのって」

「ん?ああ…そうだったな〜…」

 そうだった。この河川敷には懐かしい思い出があるのだ。

 それは俺らが小学生三年生の秋。季節的に川の周辺が少し寒かった頃。

 俺の通っていた小学校に大阪からの転校生、優也が来た。

 その頃の三輝は今と同じく勉強以外ならなんでも出来たのだが今と違うところはコミュ力が圧倒的に足りないということだった。いわゆる人見知り、コミュ障というやつだ。

 それでクラスに馴染めずにいた三輝は下校時に通るこの河川敷で放課後はいつも独りで水切りをしていた。

 その時も水切りはとても上手く、なんでもできた三輝に俺は興味を持って一緒に水切りやろうぜとかなんか言って少しずつ距離を縮めていき今に至るというわけだ

 まあ今ではコミュ力化け物になってるが。

「ちょっと自販機でジュース買ってくるけどなんかいる?」

「コーラで」

 俺は仰向けに寝転びながらそう伝えると優也はグッと親指を空に立てて走り去って行った。

「ふぁぁ…」

 水の流れる音と綺麗な満月…

 あっ…これは寝れるかも。とか思っていると何かが聞こえた気がした。

「…れか…いません……だれか……!」

 誰かの声が聞こえる。なんだろうこの声は…。

 俺は不審な声に体を起こし、耳を澄ましながら、かすかに聞こえる声の方にへと近づいていく。

「あっ…!そこの人…助けてください…!」

そんな助けを求めているのはガムに捕まっている裸体の10センチほどの女の子だった―――

ご覧いただきありがとうございます。

また2話も出しますので乞うご期待です。

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