090 俺を誘ったからには、どうなるかわかってるんだな?
ひとまず、アンナは俺に仕えることになった。
本人曰く、やっぱり働いてないとなんだか落ち着かないとのことだそうで。
公国にある帝国の拠点で俺のお世話をしてもらうことになった。
もちろん、夜のお世話も。
ごちそうさまです。
うん、スタミナも回復するようになったからキリがない。
こうなるか、ミイラになるか選んだ結果だ。
後悔はしてない、毎晩はしてる。
さて、今日はついに作戦実行の日だ。
ん、何の作戦実行だって?
大丈夫、今回は忘れてない。
勇者であるニーナを帝国宮殿の中庭に転移させ、聖剣を引き抜かせるのだ。
既にニーナにはリンシアから話が通っている。
後は俺が転移をさせるだけだ。
使用人の仕事は本日お休み。
指定の時間になったらリンシアとニーナの待つ部屋に転移する手はずだ。
念のため、リリーも護衛に向かっている。
前みたいに魔精霊ウンディーネの手先がやってくるかもしれないからね。
「ねぇ、アレクシス。二人っきりなんだし、いいことしない?」
「おっと、机にほこりがたまってるな。んん? 床も拭き残りがあるぞ?」
「ちょっと、姑みたいなこと言わないでよ!」
というわけで、アンナと二人きりでお留守番だ。
俺が転移したらアンナが一人でお留守番だけど。
「というか俺はこれから任務なんだ。遊んでる場合じゃなくてだな」
「あぁ、もう礼儀正しかったアレクシスはいないのね……。これはこれでグッとくる感じがまたたまらないけど」
「聞いちゃいないな?」
「んふー、アレクシスの言葉は一言一句聞き逃してないよーだ」
リンシアとリリーがいない隙に、全力で俺に甘えに来てる。
掃除はどうした、掃除は。
まだ夜じゃないぞ。
「朝方までさんざんやってたじゃないか」
「生まれてこの方、消費せずにため込まれてた欲求はこれくらいじゃ満たされないのよ? ほらほら、アレクシスの好きなものですよー」
そう言いながらアンナは際どいメイド服をはだけさせ、ぷるんとしたたわわを露出させる。
「………………」
「ほらほらー、アレクシス専用だよー」
いいだろう、その挑発に乗ってやろうじゃないか。
後悔しても知らないぞ。
――肉体強化魔法“極部”。
「え、まって、うそ。えっ……今朝までと違わない……? ソレ……」
「誘ったのはアンナだ。さあ、覚悟してもらおう」
「あっ、ちょ、まって! そんなの無理だって! うそ! はう――――――ッ!」
◇
いやあ、任務前のいいウォーミングアップになった。
アンナにはちょっと刺激が強かったみたいですね。
いやはや、禁術魔法だからしかたないね、禁術魔法だから。
意識を失……ピクピクとしながらぐっすりと眠るアンナに布団を被せ、転移魔法を発動させた。




