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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第二章
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083 引きこもり脱却計画

 その日からだそうだ。

 ニーナが周囲から避けられるようになり、部屋に引きこもったままになったのは。

 今から約五年前の出来事である。


 帝国の推測によると、勇者パーティーは魔王が復活すると自然と禁術魔法に覚醒するそうだ。


 だが、それよりも以前に。

 例えば凄まじい精神的ショックや死の淵に立たされることによって、強制的に禁術魔法に覚醒する可能性もあるとのこと。


 俺とリンシアとリリー、全員このパターンだ。


 魔精霊イフリートに殺されそうになった直前。

 急に頭の中に禁術魔法の術式理論が浮かび上がったのだ。


 浮かび上がって、理解した。


 俺にも魔法が使えるのだと。


 ニーナの場合、凄まじい重圧による精神的ショックで禁術魔法の一部が覚醒したのだろう。

 自分の心を固く閉ざし、周囲を寄せ付けない禁術級の心象魔法を発動させたのだ。


「アタシが魔法を使ってたから……みんな遠ざかっていってたの……?」


 周囲からすればニーナは近寄りがたい存在だ。

 だが逆に、ニーナにしてみれば周囲が自分を避けているように思えるのだろう。

 なにせ無意識の威圧なのだから。

 魔法を使えない落ちこぼれだと蔑まれているのだと思い、ニーナはさらに心の壁を厚くしていった。


「けど、魔法を使えるということは、それをコントロールすることも可能だ」

「……無理だよ、どうやって使ってるかもわからないもん」

「現に今、ニーナは心象魔法を使ってない。俺は威圧を感じてないよ」

「え、そうなの?」


 まあ、それは俺の心象魔法により高感度を上げてるからという理由だけど。

 だが、相手に心さえ開くことができれば、ニーナは無意識に威圧することはなくなるだろう。


 他者を拒絶する気持ちが、心象魔法となって表れている状況なのだから。

 というか、数か月お世話係を継続した人は凄いな。

 禁術級の心象魔法を受けてどんな精神力を持ってるんだ。

 リンシアでさえ、一週間であの状況なのに。


 外の雨はさらに激しくなっていく。

 いや、降り過ぎじゃない?

 今朝方はとてもいい天気だったのにな。


「ニーナなら必ずコントロールして。他の魔法も使えるようになるよ」

「…………そう、かな」


 そう、なのだ。

 なにせニーナは勇者なのだから。

 大魔法使いである俺よりもずっと凄いはずだ。


「だからまず、リンシアに心を開いてあげて欲しい」

「リンシアって……お世話の……」

「そ、本気で君のことを心配してる。彼女の言葉に耳を傾けてあげて欲しいんだ」

「…………」


 まずは威圧しない程度にはね。

 それが無ければリンシアの話術で後はどうにでもなるだろう。

 俺の女は凄いのだ。


「アレクシスが……そう言うなら……、前向きに考えてみる」


 うむ、いい傾向だ。

 俺が手だしするのはここまでである。

 後はニーナの努力次第。


 まあ、難しいようならもう少し手を貸してあげるかもしれないけど。

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