表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第二章
75/200

075 やはり難航していたらしい

 さらに数日が経過する。


 リンシアは頑張ってはいるようだが、ここ最近ちょっと表情が晴れないようである。

 本人からは「順調です!」としか聞かないけれど、もしかすると交渉に難航しているのかもしれない。

 俺の出番がまだやってこないことを考えると、そういうことなのだろう。


 掃除の腕はどんどん上達している。

 最近、なんだかさらに際どくなったアンナ先輩から「まあまあね」と褒めてもらえるほどに。

 昨日はご飯でも「今度一緒に食べに行かない? 二人っきりで」と誘われたけど、返事は曖昧にしておいた。

 まだ駆け落ちプランを忘れてなかったのか?

 それとも単に後輩を労おうとしてたのだろうか。

 うん、多分後者だろう、そういうことにしておこう。

 リリーの威圧が怖い。


 おっと、リンシアだ。

 珍しく使用人の部屋で休憩しているようだ。

 この時間はまだ公女殿下のお世話をしてるはずなんだけど……。

 一人で俯いて、表情がどんよりとしている。

 いつものリンシアではないみたいだ。


「リンシア、お疲れ」

「へ……、あ! お疲れ様です、アレクシス様」


 俺の声に咄嗟に笑顔を作るが、やはり完全に笑えてはいない。


「ちょっと疲れてるみたいだけど、大丈夫?」

「大丈夫ですよ、なんたってわたしは禁術級の治癒魔法を使えますから! 疲労とは無縁です」


 そうかもしれないが。


「じゃあ、精神的な方の疲れはどう?」

「う……。見苦しい姿を見せてしまいましたね……」


 心の治癒まではできない。


 話を聞いてみると、やはり公女殿下の説得に難航しているらしい。

 というより、まず心を開いてもらうことすらできていないのだとか。

 こんなにも魅力的なリンシアに心を開かないなんて、公女殿下はなかなかの強敵かもしれない。

 俺なんてイチコロだったぞ。


「まずは普通にお話できるようになればいいんですけど……色々アプローチしてみましたが結果が出なくて」

「そっか」


 ここに来てリンシアも結果が出なくて躓いている。

 今まですんなりと仕事をこなしていたから、困っているリンシアは逆に新鮮だ。


 しかしリンシアにも心を開かないほど内向的となると、うむ。

 どうしたものか。


 リンシアが以前のお世話担当に話を聞いても、やはり誰にも心を開いていないようだった。

 一番長く勤めている使用人によると、昔は明るく元気いっぱいの少女だったらしいのだが、突然引きこもりになってしまったのだとか。


 引きこもりとなった何かしらの要因があるとは思うのだけど……まずは心を開いてもらわないことには本人から原因を聞くこともできない。


「あー、いたいた、アレクシス! こんなとこでサボって……げ……リンシアも一緒だったのね……」

「アンナ先輩」

「お疲れ様です」


 何だか露骨な表情になってますよ、際どいアンナ先輩。

 というか俺は今休憩時間だ。

 断じてサボっているわけではない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ