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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第二章
71/200

071 前の使用人は今頃、帝国宮殿で働いてるよ

 公族の屋敷は海から少し内陸に向かったところに存在する。


 やはり観光地ということもあって、街はかなり活気があるようだ。

 帝国も賑わっていたが、こちらも露店などが立ち並び、とても生き生きとしている。


 面白いのが、海から放射状のように道が何本も広がり、それに沿って高い建物がズラリと並んでいるのだ。

 かつ、奥に進むにつれてゆるやかな傾斜がついており、遠方の地面が自分の視線よりも高い位置にあるという。

 何とも不思議な光景である。


 密偵が教えてくれた情報によると、過去に何度が水害に見舞われたため、街の奥に水が届かないよう傾斜がつけてあり。

 また、すぐに高い場所に避難できるよう建物も平均して背が高いようだ。


 そんな街並みを抜けて、一番高い位置に存在する公族の屋敷へと到達した。

 帝国の宮殿や、王国の王城とはまた違った雰囲気の屋敷。

 いかにも観光地といった印象で、全体的にゴテゴテしている。

 装飾品が多いな。


 密偵とはここでおさらばだ。

 後ろからついてきてると思ったら、気が付けば消えていた。

 隠蔽魔法を使ったのだろう。


 おさらばとはいえ、隠れて俺達の監視は続けるそうなのだけど。


 ちなみにリリーも隠密魔法により姿を隠している。

 ほんとにどこにいるのかわからない。


 俺達が存在を把握でいないから、はぐれないように気を付けるんだぞと伝えたら、「リリー、アレクの女だから。離れない」とドヤ顔で言っていた。

 多分大丈夫だろう。


 なにはともあれ、潜入だ。

 屋敷の扉をコンコンコンと叩くと、中からリンシアと同じメイド服を着た女性が出迎えてくれた。

 際どい。


 いて!?

 なにやら足に衝撃がはしったんだが!

 はっ、潜伏してるリリーか。

 何やら見えない圧を感じる。

 はいはい、俺の女はリンシアとリリーだけですよっと。

 ……今のところは。


「あら、アナタたち。もしかして新入りかしら?」

「はい、本日からお世話になりますリンシアと申します」

「同じく、アレクシスです。よろしくお願いします」

「話は聞いてるわ、リンシアにアレクシスね。さ、入ってちょうだい」


 密偵がしっかりと仕事をしてくれたおかげで、すんなり潜入することができた。


 屋敷の中も、やはりハデだ。

 お国柄なのだろう。

 もしかして、公女殿下もかなりハデハデなのだろうか。


「ホント、ちょうどいいタイミングで二人が入ってきてくれて助かったわ」


 前を歩く際どいメイドさんがそう言った。


「ちょうどいいタイミング?」

「ええ、先日使用人が二人ほどポーンと辞めちゃったのよね。多分、他の所にもっと好待遇でスカウトされたんだわ。おかげで大変だったんだから」


 ……もしかして、それは密偵が裏で手を引いていたからではないだろうか。

 なんか申し訳ない。

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