070 そんな装備で大丈夫……ですね、なかなかいい趣味してる
しっぽりと搾り取られた。
それはもう、しっぽりと。
俺だってやればできるのだ、頑張った。
初めての頃に比べて持続力が付いてきた気がする。
成長を実感できるようだ。
そんなこんなで、色々やりながら魔精霊ウンディーネに警戒しつつ拠点で待機を続けていた。
プライベートビーチで遊んだり、アレしたり。
拠点の勇者パーティー専用の部屋でお菓子とお茶を頂いたり、アレしたり。
二人の欲望は止まらない。
俺も止まる気は無い。
数日が経過したが魔精霊ウンディーネの襲撃もなく、ゆるりとした時間が流れる。
「アレクシス勇爵様、準備が整いました」
「ん、準備?」
密偵の一人が、そう話しかけてきた。
何の準備だろうか?
今日の晩御飯……にはまだ早いよな。
「公族のお屋敷に使用人として潜入する準備でございます」
「……あ」
いや、うん。
覚えてたよ、頭から抜け出ただけで。
それを忘れてたというのかもしれないけど。
皇帝陛下から与えられていた任務だ。
公女殿下を説得して帝国に来てもらうという。
うん、準備バッチリ。いつでもイケるぞ。
「後ほどご案内しますので、まずはこの衣装へお着替えください」
そう言って、密偵はそれぞれに衣装を手渡していく。
俺が受け取った衣装は……可もなく不可もない普通の使用人衣装だ。
俺の屋敷で働いているメンズたちが着ている物に似ている。
各自、部屋に戻ってサクッと着替えて再び集合した。
「どうです、アレクシス様。似合ってますか?」
そう声をかけてきたリンシアの衣装はメイド服だ。
それもかなり布地面積が少ないタイプの。
胸元が大きく開き、巨大な物体がこれでもかという程主張している。
やはり禁術級の使い手だ。
リンシアがくるくると回るとスカートがふわり。
ほほう。
「悪くないな」
どうやらリゾート地ゆえ、観光に来たお客様に楽しんでもらえるようメイド服もカスタマイズされているようだ。
後は南国の気候なので普通のメイド服だと暑くて辛いだろう。
男性用の服は暑いんだけど、どういうことだよおい。
「リリー、不服。メイド服がよかった」
そういうリリーの衣装は……黒い。
密偵が任務の時に着ている衣装、それの子供バージョンだ。
さまざまな機能が搭載された便利な装備である。
かつ、通常の装備ではなく禁術魔法を使った肉体強化に耐えうる性能を持っているらしい。
並大抵の攻撃ではびくともせず、破れる心配もない。
少し残念だ。
いや、戦闘中に気が散ってもマズイな。
リリーの役目は護衛、使用人として雇ってもらうのは俺とリンシアだけだ。
密偵の案内により、公族の屋敷へと向かう。




