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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第二章
68/200

068 もしかして、魔王はストーカーなのでは?

 拠点の中に入ると綺麗に整備された施設が眼に入った。

 もちろん、俺達勇者パーティー専用の部屋も存在するらしい。

 本当に洞窟の中なのかと疑う。


 皇帝陛下に連絡を行うため、即時会話が可能な魔道具のある部屋に移動する。

 魔道具を起動した直後、皇帝陛下が応答した。

 速いな、おい。


「オスヴァルト皇帝陛下、ご報告したいことがございます」

『先ほど密偵からも簡易に報告を受けた、精霊に襲撃されたようだな。詳しい報告を頼む』


 さすが帝国の密偵、仕事が速い。

 俺達が戦っている間に報告してたから皇帝陛下の応答が速かったようだ。


 敵が使ってきた魔法、特徴などを細かに説明していく。


 結論として、まず魔精霊ウンディーネの復活は間違いないだろうということ。

 それはリンシアとも話していたことだが。

 問題はなぜこのタイミングで、それも俺達のいる場所に的確に襲撃をしかけてきたのか。


 魔精霊ウンディーネが引き起こしたと思われる大水害は連邦国で一か月ほど前に起こり、それ以降は音沙汰がなかったそうだ。


 ん、リンシアの出身って連邦国じゃなかったっけ?

 それに、禁術魔法に目覚めたのも一か月ほど前って言ってたような……。


 何やら関連性を感じなくもない。

 また後で聞いてみよう。


 それはともかく、中級の精霊が襲い掛かってきた理由だ。

 考えられる理由は三つ。


 一つ目は俺達が遊んでいる場所へ偶然、精霊が通りかかった。

 世の中、偶然と言っておけば大丈夫だと思ったら大間違いだぞ。


 二つ目は俺達の存在を察知し、襲撃してきた可能性。

 ウンディーネは水を司る魔精霊だ。

 自分の有利な地形に、のこのこと勇者パーティーがやって来たから襲撃してやった。

 可能性としては無くはない。

 中級精霊を送り込んできたのは、まだウンディーネの成長が完全ではなく、海の中にある魔力の発生源から離れられないからではないだろうか。


 三つめは公国に存在する勇者と思わしき公女殿下の命を狙っていた可能性。

 魔王からすれば勇者ほど脅威に感じるものはないだろう。

 なにせ、一度負けているのだから。

 なので、俺達が四人揃う前にケリをつけようとしているのかもしれない。


 魔精霊シルフィードと戦っていた際、魔王は仲間のいない勇者など取るに足らないと言っていた。

 逆に、勇者のいない俺達も取るに足らないのかもしれない。

 曰く、勇者は俺達の上位互換であるのだから。


『過去の魔精霊の出現場所とタイミングを考えるに、覚醒前の勇者を狙った可能性も捨てきれない。警戒を怠らず、十分に気を付けてくれ』

「わかりました」


 なにやら魔王は覚醒前の勇者パーティーの気配を感じ取ることができるかもしれないとのこと。

 だから俺の目の前に魔精霊イフリートが突如現れたのだろうか。


 それだけでなく、リリーの国も魔精霊シルフィードに滅ぼされた。


 水害を受けた連邦国と、その国出身のリンシア。

 やはり無関係ではないな。


 魔王は、覚醒が近い勇者の命を狙っているのかもしれない。

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