表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第二章
62/200

062 多分、四六時中監視されてるんじゃないかな

 翌朝、ふたたび転移で帝都の屋敷に戻ると凄まじいオーラを放つ二人に詰め寄られた。

 いや、うん、俺が悪かたって。


 でも考えてほしい、俺だって無限にスタミナが存在するわけじゃない。

 ちゃんとスタミナ増強魔法を考えるからそれまで待つんだ。


 待ってくれなかった。

 朝からまた干からびそうである。


 さて、色々と終わった後に朝食を食べている最中、気が付いたら後ろにいた密偵が俺の耳元で囁いた。


「皇帝陛下がお呼びです」


 いやもうビックリしたなぁ。

 気配もなく急に現れるんだもん。

 もしかすると補助系統の魔法で気配を消しているのかもしれない。


 おそらく、上級レベルの魔法なのだろう。

 俺も帝国に来てからできていなかった魔法の研究を再開してみるかな。


 食事を終え、ツヤツヤとしているリンシアとリリーと共に皇帝陛下が待っている謁見の間に向かう。


 呼び出されたということは、間違いなく魔王か勇者関連だろう。

 またしばらく休暇はないかもしれない。


「オスヴァルト皇帝陛下、お呼びに与り参上しました」

「よく来てくれた」


 俺が代表して皇帝陛下に挨拶をした。

 相変わらずこの人はカリスマが凄い。


「呼び出しで状況を察しているかもしれないが、任務を与える」

「なんなりとお申し付けください」

「帝国より南東に位置する公国へと向かってほしい」

「公国ですか?」


 公国というと、確か王様ではなく貴族が治めている国のことをいうんだっけ。

 どうやら今回はその公国に向かうことになるらしい。


「まだ確定はできないが、公国に勇者と思わしき人物が確認された」


 ――勇者。


 過去に聖剣を手にし、禁術魔法を駆使して仲間と共に魔王を討ち滅ぼした存在。

 それがついに見つかったのか。


 そりゃ急に呼び出されても仕方ない事案だろう。

 伝説になって語り継がれる勇者が仲間になれば、魔精霊との戦いも格段に楽になるはずだ。


「それを調査するのが今回の任務ですね?」

「いかにも」

「ですが、密偵では駄目だったのですか?」

「少々複雑な理由になっており、勇者パーティーの力を借りたい」


 また複雑な理由らしい。


 話を聞くに、勇者と思わしき人物は公国の中でもちょっと重要な人物であり、接触自体が難しいとのこと。

 もし接触ができても簡単に連れ出すことができないことから、俺達に任務を与えたのだとか。


「密偵にも連れ出すのが難しいって……俺たちだともっと難易度が上がりそうなんですけど」

「アレクシス、何やら昨晩、新たな禁術魔法を創り出したそうではないか」


 ――――バレてる。

 まだリンシアとリリー以外には話していないはずなのに。

 皇帝陛下は俺が転移魔法を使えるようになったことをもう把握しているのか?


「はい、その通りです……」

「その魔法を用い、勇者と思わしき人物を一時的に帝都へ――聖剣カラドボルグの存在する庭に転移させてほしい」

「それって……」


 拉致するってこと……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ