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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第二章
58/200

058 遅くなった約束を、休暇中に

「アレクシス様、こちらですよ!」


 人の賑わう帝都の大通りを嬉しそうに進むリンシアの後ろを、俺とリリーが追いかける。


 そう、今俺はデートをしている。

 リンシアとリリー、両手に花だ。


 魔精霊シルフィードとの戦いが終わり、数日が経過した。

 ひとまずの脅威が去ったということで、俺達勇者パーティーに休暇のようなものが与えられた。


 ついでに年俸も上がってた。

 独立して国を作れそうな気がする。

 独立はしないけど。


 その金を帝国で使って経済を回してくれとのことだ。

 皇帝陛下直々に、自由に遊んでいいぞ宣言である。


 まあ、休暇中に次の魔精霊が現れれば即行動をしなければならないんだけど。


 というわけで、以前リンシアと約束していたデートをしている。

 俺に手を差し伸べ、帝国までの道のりの代金を全て出してくれたことへのお礼だ。

 帝都を案内してもらいながら、俺が美味しいものを沢山奢るというものである。


 デートと聞くと身構えてしまっていたが、シルフィード戦の後にあんなことや、そんなことや、こんなことをしてしまったので、今さらだ。

 とてもよかったです。

 今朝も運動してからデートに出かけています。


 しかしながら、さすがは多種多様な種族が暮らす帝国。

 一言で美味しいものといっても、種族特有の個性というか、色々な味が存在するのだと知った。


 他の種族からすれば、人間が美味しいと思っているものをあまり好かなかったり。

 逆にエルフなんかが食べる料理は人間には薄味すぎたり。


 けど、そういったものが入り混じって、一つの街が出来上がっている。


 リンシアはその中からお気に入りの味を俺にどんどん紹介してくれている。

 初めて食べるような味の料理もあったが、どれも美味しかった。


「はい、つぎはこちらです。これも美味しいんですよ?」


 そう言いながらリンシアは屋台で売っていた串焼きを手渡してくる。


「まだ食べるのか? いや、別にいいんだけど、よくそんなに食べれるな」

「何を言ってるんですか、まだ紹介したいお店の半分も網羅してませんよ?」


 マジか、俺はかなりお腹が大きくなってきたんだけどな。

 リンシアがパクリと美味しそうに串焼きを食べる。

 ついでにリリーもガツガツとワイルドに。


 俺も一口食べてみるが……うん、普通にうまい。

 お腹が大きくなってきたにも関わらず、ペロリと食べてしまえた。


 俺がペロリと食べている間に二人はおかわりしている。

 なるほど、リンシアはこうやって栄養を蓄えてスクスクと成長したわけか。

 局部的に成長させるとは、凄まじい高等技術を身に着けているようである。


 そしてリリー、残念ながら栄養素は取り込めていないらしい。

 服を着ていると胸の膨らみがほとんどわからず、ペッタンだ。

 成長期はまだまだこれからだろうし、仕方ないね。


「アレク、何か変なこと考えてる?」

「え、いや、なにも」


 野生の勘だけは鋭い。

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