表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第一章
53/200

053 本人が強いと思ってるなら、それが幸せかもしれない

 魔物であるドラゴンが魔精霊の魔法を耐えきった?

 それも、ほとんど無傷の状態で。

 これが超級魔物、ダークドラゴンの力だとでもいうのか?


 シルフィードは驚愕と怒りの感情をむき出しにしている。


『ガ……ガハハハハッ! ついに、ついに我の時代がやってきたのだ! 見たか、アレクシス様! 魔精霊シルフィードの攻撃を退けてみせたぞ! 我にかかれば魔精霊など雑魚に違いないのだッ! デカい面して魔王様……いや、魔王に媚を売りおって! 今、葬ってくれるわ!』


 ちょっとイラっとした。

 が、これで絶望的だった状況に勝機が見えた。

 魔王の魔力を吸収して成長し、俺の魔法で肉体が強化された状態のドラゴンであればシルフィードに勝てるのではなかろうか。


『ゆくぞ――――!』

「リ゛イ゛イ゛イ゛イ゛イ゛――――!」


 ドラゴンは大きな翼を広げて飛翔し、シルフィードはその場から跳躍した。

 二つの巨体が、先ほどの聖精霊サラマンダーを召喚したときのようにぶつかり合った。


『ガハハ! それでも魔精霊か! 弱い、弱すぎるぞ――――! 違うな、我が強すぎるのだ! ガハハハハ――――!』

「リ゛イ゛ィ゛……ア゛ァ゛……」


 ドラゴンの猛攻がシルフィードに襲い掛かる。

 完全に押している。

 シルフィードも反撃を行うが、どの攻撃もドラゴンには効いていない。


 ドラゴンは圧倒的な力を手に入れたんだ――――と言いたいところだが、どう見てもシルフィードが死に際に弱体化しているだけである。

 多少は強くなっているのだろうが、ドラゴンが調子に乗っているだけだ。


 聖精霊サラマンダーと戦っている時に比べ、シルフィードの動きに全くキレがない。

 地形を破壊することもなく……大規模な戦いではあるのだが、先ほどと比べればかなり低レベルな戦いが繰り広げられていた。


 それでも、魔力が枯渇した俺を殺すぐらいの余力はシルフィードに残されているだろうが。

 ドラゴンが来ていなければ、本当に俺は死んでしまっていたかもしれない。


 ちょっとだけ褒めてやる。


 だがシルフィードもただではやられない。

 必死にドラゴンに食らいつき、殴る蹴るの暴行を加える。

 精霊なのに。

 もう魔法すら使えないのかもしれない。


 そんな抵抗も虚しく、やがてシルフィードは地面に倒れ込んだ。


 ドスンと音が響き、土煙が舞う。


『ガハハ、もう手も足もでないか! 過去に我を雑に扱っていた恨み、忘れはせぬぞ! 我がトドメを刺してやる!』


 なにやら私怨が含まれている気がするが。

 ドラゴンは大きく息を吸い込み、ブレスでトドメを刺すらしい。


 先ほどのサラマンダーの出来事を思い出し、何だか嫌な予感がした。

 というか、ドラゴンの炎は敵だけを焼き尽くすものではない。

 こんな木が沢山ある場所でブレスなんか放ったら……大規模な火事になりかねないぞ!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ