041 ねえ、自分より小さな女の子に襲われるのはどんな気持ち?
それぞれに与えられた個室というのが、これまた豪華だ。
部屋に備え付けられた大きな窓からは広大な森を見渡すことができる。
ベッドメイクも綺麗に済んでいたり、部屋に風呂まで備え付けられて、熱々の湯が張られていた。
風呂でサッパリとし、着替えが終わったところで夕食が運ばれてきた。
うまい!
食事を終え、後はぐっすりと眠るだけ。
今日はリンシアがベッドで待ち構えているということもなく、安心して眠ることができそうだ。
ふかふかのベッドに入り込み、目を瞑った。
◇
……寝苦しい。
なんだかとても身体が圧迫されているようだ。
これは夢か?
だとしたら夢見が悪い。
目が覚めれば魔精霊シルフィードとの戦いが待っているというのに。
「むにゃ……アレク……」
声……?
聞き覚えのある声だ。
というか、夢じゃない?
寝ぼけていただけか?
ゆっくりと眼を開くと、周囲はまだ真っ暗だった。
そして、やはり体が圧迫されて苦しい。
一体何が起こってる。
確認の為、かけ布団をのけてみると――、
「アレク……はげし……」
「えっ」
血の気が引いていくきがした。
リリーがいる。
それも全裸で。
全裸のリリーが俺の身体に抱き着いて眠っている。
「ちょ、なっ、リリー!?」
焦ってリリーを引き剥がしていると、目を覚ましたようだ。
リリーが目をこすりながらちょこんとベッドの上に座り、薄暗い部屋で透き通るような肌が映える。
「んにゅ……アレク……起きた」
小さいながらもほんのりとした膨らみが主張し、少しだけくびれのあるポッコリとしたお腹。
それよりも下に視線を向けると、大きく開脚した状態で何も存在しない危険地帯が無防備なにさらけ出されていた。
「ななな、なにやってんだ!」
「リリー、アレクのもの。だから、昼間の続き」
昼間の続きって……諦めてなかったのか!
リンシアに邪魔されるだろうし、夜のタイミングを狙ってやってきたというわけか?
「アレク、起きてなかったから。でも、もう大丈夫。起きた」
ハッハッ、何が起きてなかったんですかね。
おかげさまで色々と起き上がりましたよ。
って、そんなことを言ってる場合じゃない!
色々とマズイだろう、これは。
リリーはどう見ても俺より年下だ、まだ幼げが残る。
あれ、獣人は成人が早いとか言ってたからもう大人か……?
いや、そうじゃなくてだ!
リンシアに今日は来ないでくれと断りを入れた状態でこの状況。
確実にマズイことになる。
リリーにはお引き取り願――、
「アレク、ちょうだい」
「あっ、まてまてまて!」
リリーが四つん這いになりながら俺を押さえつけられた。
プクリとした突起が目も前に迫り、俺の足に危険個所をこすりつけている。
いや、力強いな!?
てか服を脱がそうとするな!
獣人は人間よりも身体能力が高いとは聞いていたけど……肉体強化魔法を使わない状況だと全く敵いそうにない。
こんな小柄な少女に掌握されている……!?
このままでは俺が未使用ではなくなってしまう!
ええい、手段なんて選んでられない!
禁術魔法だ!
肉体強化魔法を発動させる!
はやく……はやく発動しろ……!
「アレク……シス……様……?」
不意に部屋に響いた声に、俺の血の気はさらに引いた。
声の方向に視線をむけると……リンシアが部屋のドアを開けてそこに立っていた。




