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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第一章
32/200

032 ホントにここ防衛拠点? 娯楽施設じゃなくて?

 魔導車に乗り、魔精霊シルフィードおよび帝国軍に危害を加える謎の存在が確認された地域に移動する。


 場所は帝国から出発して王国とは正反対の方角だ。


 リンシアの出身国もそちらの方角にあるらしいが、今回の目的地はそれよりもさらに向こう側。

 馬車で移動すれば一週間以上はかかる距離だが、魔導車であれば一日程で到着する。

 到着までの間は雑談タイムだ。


「そういえば魔精霊シルフィードの出現で国が滅びたとか言ってなかったっけ」

「ええ、獣人王国が滅びました」

「獣人王国?」


 王国では聞いたことのない国だ。

 獣人王国は深い森の中に存在し、獣人だけが暮らす国だそうだ。

 人間至高主義の王国では話題にも上がらないだろうな……距離も離れているし。


 獣人王国に住む獣人はプライドが高く、他国との外交は皆無だったとのこと。


 で、その獣人王国が存在する森に魔精霊シルフィードが出現したらしい。

 帝国軍の偵察によると、わずか一日で獣人王国が滅ぼされてしまったのだとか。


 事前に、この地域で魔精霊が出現するかもしれないので、避難した方がいいという帝国の呼びかけにも一切応じなかったとのこと。


「生き残りはいないのか?」

「……確認されていないそうです」


 帝国の呼びかけに応じなかったとはいえ、あまりにも無残だ。

 一刻も早く魔精霊を倒さないと、同じような悲劇がまた起こるかもしれない。


 確か魔精霊は五柱いるとか言ってたっけ。

 イフリートは倒したので、残り四柱か……先は長いな。


    ◇


 魔導車に乗ってから約一日が経過し、魔精霊シルフィードが出現した森が近づいてきた。

 窓から森を覗いてみると、かなり鬱蒼で、凄まじく広大に広がっているのがわかる。


 森の中央には獣人王国の象徴である巨木が聳え立ち、以前は森の外からでも見ることができたそうだが。

 今はシルフィードにへし折られ、見ることは叶わない。


 帝国軍が防衛の拠点としている場所に到着した。

 防衛拠点……なんだか城みたいなのが建ってるんだが……。


 大勢の帝国軍が活動するにあたり、充実した設備を備えているのがこの城だそうだ。

 全ての軍人に個室が与えられ、豪華な食事が三食出てくる。

 疲れを癒す広い浴場が備え付けられていたり、娯楽やマッサージまで完備とのこと。


 命をかけて魔王勢力に対抗するのだから、この程度の投資は当たり前だ。

 とは皇帝陛下のお言葉。


 帝国軍の満足度調査によると99.9%が満足と答えているらしい。

 残りの0.1%は何かだって?

 あぶり出された他国のスパイだ。


「ようこそおこし下さいましたッ! アレクシス勇爵様、リンシア勇爵様!」


 防衛拠点の入口に向かうと、何だか暑苦しい人物に名前を呼ばれた。

 汚れ一つないピカピカの軍服に身を包む短髪の男。

 年齢は四十代ほどだろうか、熱い視線を俺達に向けている。

 相当鍛えているのか、軍服に筋肉が浮かび上がっていた。


「あなたは?」

「帝国軍大佐、ダニエルでありますッ! どうぞ中へお入りくださいッ!」


 大佐だった、かなり偉い人じゃないか。


 ダニエル大佐に案内され、防衛拠点に足を踏み入れる。

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