表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第一章
22/200

022 思ったより強いのが現れたらしい

 よい朝を迎えました。

 目が覚めると隣にはほぼ全裸に近い美しい女性が。


 どうやったらそんなに寝相が悪くなるのだろう。


 眼が覚めたリンシアが、「アレクシス様ったら、わたしが眠っている間にこんなに激しく……!」と言っていたが、真実を告げると「……やってしまった」と少々落ち込んでいた。


 リンシアはどこからか取り出したローブを身に纏い、一旦自分の屋敷に戻る。

 俺も支度を行い始めた。


 食堂に向かい、これまた豪華な朝食を食べ終える。


 皇帝陛下との謁見には少し時間があるので、屋敷の中を散策しておこうとおもっていたら。

 予定よりも早く皇帝陛下からの呼び出しがかかった。


 支度は既に済んでいるので、そのまま宮殿へと直行する。


    ◇


 宮殿に到着するとリンシアも同じく到着していた。

 もじもじとした様子はない、御淑やかな女性の雰囲気である。

 切り替えが速いな。


 使用人に案内され、昨日と同じ謁見の間へと向かう。

 扉を開くと、既に皇帝陛下が待ち構えていた。


「予定より早くに呼び出し、すまない」

「いえ、問題ありません」

「緊急の報告が来たのだ」


 緊急の報告と言うと、魔王関係だろうか。

 新たな魔精霊が発生したとか、勇者が見つかったとか……?


「皇帝陛下、緊急の報告というのはどういったものでしょう」

「王国からの救援要請だ」


 その言葉に、喉の奥が詰まるような感覚がした。


 王国からの……?


 まさか、俺に関することか……?


 いや、皇帝陛下は救援要請と言っていた。

 詳しい話を聞くまではわからない。


「昨日、王国内にドラゴンが現れたらしい。同時に魔王の魔力による影響で多数の魔物も現れ、お手上げ状態なのだろう。プライドを捨てて、救援を要請してきたようだ」


 そういえば、魔精霊イフリートを倒したからといって安全になるわけではないとリンシアが言ってたっけ。

 魔王の魔力が深く染み込んだ土地になるから、下級の魔物が出現するとか何とか。


 でも、待てよ。


 今、皇帝陛下はドラゴンが出現したと言ったよな?

 ドラゴンというと、勇者の物語も強力な敵として出てくるような存在だ。

 とても下級の魔物とは思えない。


「リンシア、現れるのは下級の魔物だけと言ってなかったっけ?」


 そう声をかけながらリンシアに視線を向けると、「あれぇ、おっかしいなぁ……?」といった表情で顔を逸らされた。

 想定外の事態らしい。


「ドラゴンがどこから現れたのかは不明だが、王国は隣国だ。このままドラゴンが力を付ければ帝国に害を及ぼす可能性も捨てきれない。早急に対処したいと考えている」

「魔精霊シルフィードはよろしいのですか?」

「そちらに関しては、上級魔法使いたちが何とか被害を出すことなく現状を維持している。むしろ、そこから人員を割くことは難しいので、今回は二人でドラゴンの対応にあたって欲しい」

「わかりました」


 そう返事をした瞬間、背後に気配を感じた。

 え、人が現れた?

 二人も。


「お初目にかかります、アレクシス勇爵様の密偵にございます。我々が王国までお二方をご案内いたしましょう」


 どうやら、昨日付けると言っていた密偵の人らしい。

 片方は俺の担当で、もう片方はリンシアの担当らしい。

 よく見ると馬車で帝国まで送ってくれた人だ。


 謁見の間を退室し、密偵に案内されながら宮殿の奥へと進んでいく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ