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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第四章
188/200

188 企み

 視界が移り変わる。

 ここは……。


「地下空間か?」

「そ、俺の生まれた場所だ」


 不意にドラトニスは精霊化魔法を解除した。

 今であれば容易に殺すことができる……が。


「お前の言動と行動は不可解すぎる、何を考えてるか全部言え」

「そうトゲトゲすんなって。今この瞬間この場所はジュレストネレスにされないよう仕込んでるから、一時休戦といこうぜ」


 そう言いながらドラトニスは転移魔法で椅子を呼び寄せ、ドスンと座る。

 一時休戦という言葉を信じるべきか?

 生まれ変わる俺の魂から派生した存在とはいえ、何を考えているのか全く分からない。


「お仲間に死んでほしくはないだろ? みんな超美少女なのに」

「それはまあ……そうだが」

「なら俺の話を聞け」


 俺の背後にも椅子が現れた。

 ドラトニスがとっとと座れと言っている。

 このままドラトニスを殺したとして……上空に浮かぶジュレストネレスをどうやって止めるか。

 神を相手に俺たちで勝てるビジョンが浮かばない。


「……聞かせてもらうよ」


 椅子に座り、俺も精霊化魔法を解除した。


「さっすが元俺、話がわかるな」

「元カノみたいに言うな」

「同じようなもんだろ?」

「いや、違うと思うけど……。それで、話ってのは?」

「単刀直入に言うと、神をぶっ殺せるのは神しかいない。俺ら人や獣にはどうやっても不可能だ」


 以前もこの場所でドラトニスがそう言っていた。


「策があるのか? それともっかい確認するけど、ジュレストネレスの配下じゃないんだよな?」

「策はある。んで、ジュレストネレスとは召喚する代わりに俺を含める勇者パーティーを生き返らせる。その契約しかしてない」


 勇者パーティーを復活させ、そのうえで策があると。


「復活させてやるけど、殺さないとは言ってないって感じか?」

「ご名答、生き返った仲間と仲良くお話したらとっとと死ねってよ」


 邪神と呼ばれる所以がわかる気がする。


「まあ、遺物から生き返ったアディソンもミミーもコルネリアも当時の魂を再現してるようだが、人としての記憶はからっぽだ。俺みたいに記憶の転写をしてないからな、生きた人形だよ。どうやって仲良くしろってんだ」

「マジで邪神だな」

「だろ?」


 それをわかっててドラトニスはジュレストネレスと契約をしたのか。

 神を倒すことができる策を実行するために。


「てなわけで、前に俺が授けた魔法でまだ開示されてないのがあるだろ」

「あるな、一瞬開きかけて頭がこんがらがりそうになった」


 魔精霊シェイドを倒した際に脳裏を駆け巡った情報。

 あれが神を倒す為の魔法の一端だったのだろう。


「それ、アーネリアフィリス召喚魔法」

「なっ!?」


 いや、神を倒すには神の力が必要とは言ってたけど。

 俺たちに力と聖剣を授けてくれた神を召喚して戦わせるのか?


「魔法陣はジュレストネレス召喚に用いたのをそのままパクる。が、そのままじゃ召喚理論性質がマイナスだから逆流してアーネリアフィリスが魔界に飛ばされちまう。もぬけの殻に送り込んでも無意味だからな。そうならないよう、配下である今の勇者パーティー経由で魔法陣を上書きするって筋書きだ」

「すまん、言ってることが全くわからん」

「俺の考えた理論は完璧だって話だよ」

「……そうか」

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