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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第四章
183/200

183 聖霊化勇者パーティー

 俺の中に白と黒の二つの精霊が宿る。

 第四柱・聖精霊ヴァルキュリアと、第五柱・聖精霊カオスだ。

 思考が明瞭になり、かつ全能感を覚える。


 周囲を見渡せば精霊化した三人が佇んでいた。

 第一柱・聖精霊サラマンダーを身に宿したのはニーナ。赤い髪が靡き、紅蓮の炎を思わせる迫力。

 俺がサラマンダーへ精霊化した時と違い、全身が燃え上がっているわけではなく、炎のドレスのようなものを身にまとっていた。

 手に持っている聖剣も赤く染まっている。


 第二柱・聖精霊ジンを身に宿したのはリリー。依然と同じく幼げな見た目から大人の女性へと変貌している。緑の長い髪に特徴的な獣の耳と尻尾。

 流れるように舞いながら大事なところをしっかりと隠している羽衣は、やはり際どい。


 そして、第三柱・聖精霊リヴァイアサンを身に宿したのはリンシアだ。プラチナブロンドの長い髪は淡く青に染まり、美しい。

 生命の源である水を司り、その根源たる姿を見せつけられているようだ。手に持っていた大聖女の小ぶりの杖は、青く透明な氷の結晶のようなものになっていた。


「凄く不思議な感覚だけど……なんだかしっくりくる感じね」

「そうですね、まるでこれが本来の形であるかのように感じます」


 二人とも適応力高いな。

 しかし、俺のほうもしっくりくるという言葉に納得する。

 第一から第三柱までの精霊化は力が暴走しないようコントロールしないといけない切迫感のようなものがあるけど。

 第四柱と第五柱に関してはすんなりと受け入れられるというか。

 もしかすると魔法系統のように精霊化にも属性によって適正があるのかもしれない。


 準備は整った。


「ドラゴンたちは上空で待機、何かあったらすぐに皇帝陛下に通達してくれ」

『た……戦わなくてよいのだな……』

『オヌシ、本音が駄々洩れじゃ』


 白ドラゴンの方がなんだかしっかりしてる気がする。

 ついてきても多分足手まといになるだろうし、聖精霊召喚でヴァルキュリアとカオスに昇華させたとしても大きすぎて魔王城(仮)に入ることができない。

 魔法陣の影響で帝国の密偵たちも帝都に侵入できないので伝達役をお願いするのだ。


「行くぞ」


 そういって、ドラゴンの背中から帝都の街へ急降下した。

 その後をリンシア、リリー、ニーナの三人が追ってくる。

 目指すは魔王城(仮)一直線。


 予想通り俺たちの侵入を阻む攻撃が飛んできた。

 城を取り囲む黒い魔力が無数の槍に変形して襲い掛かる。

 が、精霊化した俺たちが同時に発動した結界魔法により、容易に防ぐことができた。

 黒い槍の勢いが増していくが、俺たちは止まらない。


「よし、潜入成功だ」


 窓部分を突き破り、城内部への潜入が成功した。

 先ほどまで襲ってきていた槍はピタリと止んでいる。


「どこかに魔力を供給してる魔王本体がいるはずだ。……多分」

「手分けして探……す必要はないようですね」


 どっと、悍ましい覇気のようなものを感じた。

 禁術級の心象魔法による威圧だ。魔王から放たれているものだろう。

 わかりやすく、城の中央付近からだ。


 ここにいるぞと誘っているのだろうか。

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