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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第四章
181/200

181 変わり果てた帝都

 転移魔法を使い、転移座標が固定されているエリアの近くまで飛んだ。

 一応帝国の領土内には入っているが、まだ帝都は見えない位置にある。


『アレクシス様……ホントに我もついていかないと駄目か……?』

「お前も一応観察対象だから、諦めろ」


 巨大魔法陣の調査には白黒二匹のドラゴンも連れていく。

 どういうわけか、この二匹は魔物であるにも関わらず魔法陣に引き寄せられないらしい。

 他の魔物は下位のゴブリンから上位のドラゴンに至るまで魔法陣を描く線の上を移動しているというのに。

 もしかすると、前回の魔王に生み出された個体と、今回生み出された個体とでは何かが違うのかもしれない。

 だが、やはりドラゴンズも魔物。

 魔王の魔力源から発生する魔物が人間たちを襲わなくなったので、仕事が無くなったドラゴンの管理を俺が行うという訳だ。


 魔導車に乗っての移動でもいいが、上空からのほうが帝都全域を視認できるという理由からドラゴンに乗って移動を行う。

 しばらく移動をしていると、前方に変わり果てた帝都の姿が見えてきた。


「ひどいな……」


 帝都全域が黒い瘴気のような物に覆われていた。

 街並みは全て色を失い、ドロドロと溶けているようにも見える。

 さらにドロドロの中を集まってきた魔物が放浪している悍ましい状況だ。

 住民の一斉転移がなければ、悲惨なんて言葉では済まなかっただろう。

 そして、帝国宮殿が存在していた場所には――、


「……まるで物語に出てくる魔王城そっくりね」


 天高く聳え立つ漆黒の城。

 帝国宮殿の面影はなく、ニーナの言う通り子供の頃から読み聞かせられていた勇者の物語に出てくる魔王城そっくりな城が存在した。


「まだ召喚魔法は発動してないみたいだけど……。確実に魔王がいるよな、あの城」

「ええ、魔精霊シルフィードの戦闘時に現れた魔王の可視化された魔力にそっくりです」


 魔王城(仮)からどす黒い魔力が垂れ流しになっている。

 街を覆う瘴気のようなものはこの魔王の魔力が原因か。

 俺がトリガーとなって発動した召喚魔法の概要は、魔精霊の残留魔力をベースに魔法陣の構築を行い、その魔法陣に魔王の魔力を注ぐことによって発動するといったものであると思われる。

 予想でしかないけど。

 もう、これが良いものであるといった希望は捨てたほうがよさそうだ。

 ホント、いったい何を召喚するつもりなのか。

 成長済の第一から第五までの魔精霊を一気に召喚するとか言わないよな?


「単純に考えたら魔力の供給源になっていると思われる魔王を叩けば召喚魔法を阻止できる気もするんだけど」

「そんな簡単にいくかな?」

「狡猾な魔王のことです、わたしたちが来ることも予想しているでしょう」

「罠を張ってる可能性もあるよな。あとはドラトニスの件もあるし。リリーはどう思う?」

「リリーおなかすいてきた、肉を食べないといけない気がする」

「……そっか」

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