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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第四章
180/200

180 優秀なメイドなのでちゃんとあっちの準備を

『諸君らであればそう発言すると思っていた。今この場でアレクシスを罰したところで状況は好転しない。今までの働きを踏まえ、アレクシスに命じる。巨大な魔法陣の真相を究明せよ』

「かしこまりました、オスヴァルト皇帝陛下」


 ひとまずはお許しいただけたようだ。

 グレーであることには変わらないけれど。

 仰る通り、俺を罰したところで巨大な魔法陣が機能停止するとは限らないし、他の勇者パーティーの反感を買うことになる。

 どのみち俺達が魔王と戦わなければ世界が滅びてしまうのだ。


『過去の皇帝陛下に大魔法使いドラトニスが付言した内容だ。新たに誕生する勇者パーティーに未来永劫、魔王の復活を阻止する魔法を授ける。確実に成功させるには勇者パーティー誰一人として欠けることなく魔法を発動させる必要があると』


 魔王の復活を阻止する、つまり魔王を復活させるジュレストネレスという神をどうにかするための魔法なのだろう。

 ドラトニスから魔法を授けられた。

 一部は転移魔法や精霊化後の超火力魔法、そして巨大な召喚魔法として発動されたが……まだ隠されている部分がある。

 この隠されている部分が魔王の復活を阻止するものなのか、もっと悪いものなのか。


『大魔法使いドラトニスの真意はわからぬ。帝都民を一斉転移させたことを考えると、これも邪神ジュレストネレスへの対抗策なのかもしれないが』


 そう考えるのが一番の希望である。

 しかし。

 地下空間でドラトニスと話した時、『俺の慈悲で保険みたいなもんだよ。帝国に何かあった時、住民を安全な場所に転移させる魔法だ。俺達が作った国の住人が死ぬのは夢見が悪いからな』そう言っていた。


 まるで帝都で何か起こることを前提として話をしているようにも思える。

 転移させなければ帝都民が全員死ぬ、自分が作った国で住人が死ぬのは夢見が悪いから慈悲をやるといったような。


「真相を究明し、そして必ず世界を救って見せます」

『期待しているぞ、勇者一行よ』


 皇帝陛下との会話を終えた。


「わたしは……まあお留守番よね。戦えないし。みんなが帰ってきた時にじっくり楽しめるよう準備しておくわ」

「アンナ、そこはゆっくり休めるようにじゃないのか?」

「何言ってんのよ、アレクシスのことだからどうせ楽しむを選ぶに決まってるわ。意外と押しに弱いもの」


 何も言い返せない。

 迫られたら受け入れる、嫌ではないしむしろウェルカムだし。


「それでは真相を確かめに行きましょう」


 ともかく、実際に魔法陣の中心である帝都に向かって確認しなければ何も分からない。

 密偵たちが事前に調査を行おうとしたが、強力な魔物が防衛を行っているようで近づくことは不可能。

 禁術魔法を使いながら突き進む必要があると思われる。


「準備はいいな」


 俺の声に、みなが元気よく返事をする。

 大魔法使いの杖を握り、帝国の拠点を出発した。

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