繧ク繝・繝ャ繧ケ繝医ロ繝ャ繧ケ
蘇生魔法、大聖女に与えられる特別な魔法のその先に存在する、神の権限。
どれだけ手を伸ばしても、神にでもならなければ本物の命の創造など行うことができない。
コルネリアは、ドラトニスへの想いだけでその領域に到達してしまった。
そしてドラトニスは、その領域に到達することができなかった。
ドラトニスには、限られた空間の中だけでしか生きることの出来ないホムンクルスの創造しかできなかったのだ。
どれだけ研究を続けても、どれだけ時間をかけても。
本物の神に近づくことができない。
コルネリアを生き返らせることができない。
ホムンクルスとは魂の転写だ。
魂の情報を魔石に刻み込んで強引に動かす。
元の魂がなければホムンクルスとして蘇らせることも不可能。
ゼロから命の創造を行うことは永遠にできない。
絶望が、地下空間を支配していた。
「ただコルネリアに伝えたいだけなのに、謝りたいだけなのに」
その呟きに返事をする者がいた。
『――――――――――――』
「なら謝ればいいだと? 冗談もいい加減にしろ」
ドラトニス以外、誰も存在しない空間で、創られた魂に直接語り掛ける声。
「まて、誰だお前は」
『――――――――――――』
「神……? アーネリアフィリスじゃなくて……まさか……」
響く声は狂ったように笑っていた。
『――――――――――――』
「神であれば命の創造が可能……お前にならそれが可能だっていうのか?」
神を自称する存在は、自らを召喚してくれれば、ドラトニスの願いを叶えてくれるという。
そのために、これまでの研究成果を用いて召喚に協力してほしいと。
「本気で言ってんのか? コルネリアが死んだのはお前が魔王なんてもんを生み出したからだろうが」
『――――――――――――』
「おい、そんな話しらねぇぞ。アーネリアフィリスは何で俺達にそれを教えなかった」
『――――――――――――』
ドラトニスは真実を聞いた。
誰を恨んでいいのかもわからなくなった。
強いて言うなれば、人間なんて消えてしまえばいいと感じただけだ。
ただコルネリアに伝えられれば――
『――――――――――――』
そう感じていただけなのに、奥底から欲望が湧き出してくる。
コルネリアと共に同じ時間を過ごしたかったと。
アディソンとも、ミミーとも、コルネリアとも。
四人で同じ時間を、閉じ込めていた想いの続きを再び――――。
協力をしてドラトニスとかつての仲間たちが蘇ったところで、最後には殺される運命にあるだろう。
ドラトニスが零した願いが、ただ一言コルネリアに謝りたいというものだったからこそ。ドラトニスを利用しようと話を持ち掛けてきた。
頭では理解している。
だが。
「……お前に協力しよう」
すり減った魂は、欲を漏らした。
刹那、ドラトニスにとある魔法が授けられた。
邪神ジュレストネレスを召喚する、呪われた禁術魔法。
「俺は俺のやりかたで報われる」
ドラトニスは再び動き出す。
瞳の奥に、更なる狂気を孕んで。
次の大魔法使いがこの場所に転移してくるのを待ち続けた。