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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
173/200

173 相手も反則級

 即座に転移を行い、魔精霊シェイドの目の前に移動した。

 すまんなドラゴンたち、何だかノータイムで転移できるようになったみたいなので必要ないかもしれない。

 安全な場所で待っててくれ。

 というわけで、怒りながら咆哮をあげている最中の魔精霊シェイドに強烈なダブルパンチをリリーと一緒に食らわせる。


 凄まじい衝撃により魔精霊シェイドの巨体が空中に浮かび上がった。

 まだ追撃は終わらない。

 魔精霊シェイドの身体を追いかけて黒と白の閃光が線を描く。

 が、それを回避するように魔精霊シェイドが転移魔法を発動――させない。

 俺の底からあふれ出す膨大な魔力により、この周辺の空間座標を完全に固定した。

 空間を支配する俺以外は転移することが不可能だ。

 唖然とした表情をする魔精霊シェイドに強烈な打撃を加え、地面に叩き落とした。

 凄まじい地響きと共に土煙が広がる。

 ドラトニスは凄まじいものを授けてくれたな……。


 もしかすると、このままトドメをさせるのではないだろうか。

 ドラトニスの書いた本には精霊化した状態で魔法を放てば聖剣にも匹敵する威力を出せると記されていた。

 現在位置はドワーフ鉱山から遠く離れているので全力でぶっ放しても被害は及ばないと思われる。

 魔力は十分、転移は防いだし、紫のビームを撃ってきても精霊化したリリーだけでも防げるだろう。

 魔法を構築する時間は十分にある。

 復活した聖剣は魔王戦までお預けかな。


 授けられたブラックボックスから、術式を自動構築させる。

 自分で考えることなく破壊力の高い魔法を魔力消費を考えずに打てるって反則級だな。

 俺の意思を読み取り、構築された魔法は巨大な魔法陣を出現させた。

 ふわりと、魔法の名前が頭に思い浮かんでくる。

 第五柱・聖精霊カオスの力で精霊化した際の専用魔法。


『――カオス・レイ』


 上空に浮かぶ魔法陣から地上に居る魔精霊シェイドに向けて、極太の黒い閃光が放たれた。

 魔精霊シェイドが使っていた魔法と似たようなものだが、俺の放った魔法の方が断然太い。

 太くて黒い。

 思考がそれた。


 ありったけの破壊力を込めて放たれた魔法はやがて収束する。

 残ったのは山脈にぽっかりと空いた巨大な穴。ドワーフ鉱山で過去の勇者が空けたという穴とそっくりだ。


 その穴の中心に――、


「嘘だろ、今の魔法を耐えるのか……?」


 ボロボロになった魔精霊シェイドが浮いていた。

 穴の中央に浮いてる。


 直後、魔精霊シェイドに変化があった。


「アレク、アレはマズイ」


 超巨大だった身体はみるみる内に縮んでいく。が、弱体化しているという訳ではなく――魔力の圧縮……?

 バサリ、と魔精霊シェイドの背中から巨大な二対の翼が生えてきた。

 あれは……第二柱・魔精霊シルフィードの翼?

 それだけではない。身体が炎で燃え上がり、周囲には水の塊が浮遊する。

 両手には、第四柱・魔精霊ウィルオウィスプが持っていた魔剣フラガラッハが二対。


「精霊化……魔法を使ったのか……?」


 それも、第一から第四柱・魔精霊の力を同時に……?

 魔精霊シェイドが俺達に視線を向け、ニヤリと笑っていた。

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― 新着の感想 ―
[一言] この話の途中までと、タイトルで予想した事を、やっちゃうなんて、強すぎませんかね? まぁ、魔精霊ラストですし、これぐらいできないとおかしいですからね。
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