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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
164/200

164 ドサドサドサ

『もう逆らいません、許してたもう』


 眼がアレになってしまった白ドラゴンが懇願する。

 完全に心が折れてしまったようだ。

 懐かしきかな、黒ドラゴンもその道は通ったぞ。


「それで、あなたはここで一体何をしていたのですか?」

『どうか、お許しを……お許しを……』

「喋らないのなら、もう二十セットいきますか?」

『ひっ、しゃべ、喋るから……!』


 リリーは特に興味はなさそうだが、ニーナの顔は引きつっていた。


「リ、リンシアってあんなのだっけ……?」

「気にしたら負けだ」

「あら、アレクシス様にニーナさん。何か言いましたか?」

「何も言ってませーん」


 こういうときは黙って受け入れるに限る。


 それでだ、白いドラゴンがここに居た理由。

 どうやら黒いドラゴンと同じく、前回魔王が猛威を奮っていた時の生き残りであるらしい。

 力を見せつけるため、森を焼き尽くそうと思っていたら、怒ったエルフたちに集団リンチに合ったらしい。

 命だけはどうか助けてくださいと懇願したところ、エルフの森に近づく部外者を狩る役目を与えられ、この森で飼われていたらしい。

 ドラゴンという種族は見た目に反して……なんというか、どうしてこう抜けているのだろうか。


 しかしまあ、実力は人間よりも遥かに高く、使える魔法は上級魔法の上を行く。

 さしずめ、超級魔法とでも名付けるか?

 ドラゴン以外に使える人なんていないから、分類させるカテゴリがない。

 が、そんな超級魔法を使えるドラゴンを飼いならすことができるエルフもまた、超級魔法の使い手ということになる。

 帝都にいたハーフエルフが使えたのは普通の上級魔法だったので、純血のエルフはやはり秀でているのだろう。


「とりあえず、今からエルフの森に向かうからお前もついてこい」

『あの、わらわエルフの森には近づくなと言いつけられておるのじゃが……』

「口答えしたらリンシアが何をするかわからないぞ?」

『ひっ、ど、どこまでも着いていく!』

「わたしもアレクシス様に何をするかわかりませんけどね?」


 まって、ナニをするつもりだ。

 ナニをするつもりだろう、そうなんだろう。


 白いドラゴンを仲間? に加え、エルフの森へ向けて歩き出した。

 直前まで到達したところで立ち止まる。


「……見られてるな」

「ええ、前回私が訪問して刺激してしまいましたから。警戒しているのでしょう」


 姿は見えないが、心象魔法による威圧を感じた。

 禁術級とまではいかないので、不快感を感じるだけにとどまっているが。

 ふむ、完全に敵意を向けられているように思う。


 相手が心象魔法を使うのであれば、こちらも同じ手を使うだけ。


「ニーナ、俺と一緒に全力で魅了だ。ちゃんとターゲットを絞ってな」

「うん、わかった」


 俺とニーナが同時に心象魔法を使用した瞬間。

 ドサドサと木からエルフが落ちてきた。

 え、大丈夫か?

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