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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
157/200

157 ちょっと重要な話が抜けてましたよ

「俺が生きてた時代よりもさらに昔はさ、精霊がもっと身近な存在だったらしい。確かドグマとラグナって兄妹がドワーフとエルフの始まりだったはずだ」


 おいおい、ドグマってアグナたちが崇拝してるドワーフの始祖じゃなかったか?


「まあそれは置いといて、ぶっちゃけ世界を救うには今のまんまじゃ難しい」

「今のドラトニス様が戦うことは不可能なのですか?」

「無理無理、俺この地下空間から出たら死んじゃうから。便利な身体だけどかなり制約があってね、だからヒントを地上に残して生まれ変わった大魔法使いに会いに来てもらったんだよ」


 精霊化魔法さえも基本だと言ってしまうドラトニスが戦力となれば盤面はかなり覆りそうだが、そう上手くはいかないか。

 上手くいかないからこそ、俺をここに呼んで継承させようってことだな。


「精霊より上の神を倒すともなると、今のままじゃ不可能だからな。アレクシス、お前にかかってる。で、地上の状況は今どうなってる?」

「精霊より上の神……?」

「後で説明してやるから、状況把握のが先だ」

「あ、ああ。すまない」


 すんごく気になる内容だけど、ひとまず状況を説明する。


「……聖剣が折れたってマジかよ」

「マジだ、今ドグマの子孫のアグナに修復を依頼してる。二日後には修復できるそうだ」


 さすがに聖剣ポッキリ事件はドラトニスも驚いたようだ。


「なるほどなぁ、しかしまあ、ドワーフは偏見が少ないからまだしも。リンシアさんが人間になったのによくエルフの協力を得られたな。ハーフエルフならともかく、純血は無駄に頭が固いからな」

「エルフの協力?」

「え、強力得られてないの?」

「あの、聖剣の修復にエルフの協力が必要なのですか……? 挨拶に伺おうとしたら追い返されてしまったのですが」

「それ、聖剣直んないぞ」


 うっそだろおい。

 アグナは自信満々に修復を開始したそうだが。

 ドラトニスの話によると、聖剣はドワーフの始祖ドグマと、エルフの始祖ラグナの二人で作り上げたそうだ。

 ドグマが剣の形を作り、アグナが精霊の魔力を込めるといった具合で。


 一度折れて力を失った聖剣は、たとえ形が元に戻っても精霊の魔力が籠っていないので本来の力を取り戻すことはできない。

 一大事だぞそれは……。


「そういえば、ニーナさんがアーネリアフィリス様の神託を受けた際、わたしの力が必要になるとかなんとか……」

「言ってた気がするな……。でも、そんな重要な事……」

「アーネリアフィリスに細かい事情が察せるワケがないだろ、アイツは人に疎いんさからさ」


 これだからアイツは、とドラトニスは頭を抱えている。

 神をアイツ呼ばわりである。


「俺にはどうしようもできん。ここから動けないし。心象魔法でも何でも手段を選ばず協力を要請することだ。聖剣を直したかったらな」


 これは地上に戻ったら緊急会議をする必要がありそうだ。


「とにかく、現状は第四柱・魔精霊まで倒したってとこだな? 精霊化魔法まで使えるから、てっきり魔王と何戦か交えたのかと思ってたけど……ジュレストネレスのヤツ、完全に勇者パーティーを殺す気で動いてるな……」


 また知らない名前が出てきたぞ。

 長生きしてると相手も知ってる前提で話すようにでもなるのか?

 ドラトニスしかり、アーネリアフィリスしかりだ。

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