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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
153/200

153 ここで転移して逃げたら後が怖い

『まあ、とにもかくにも。今の俺、つまり精霊化魔法を使えるようになった転生後の俺であれば次のステップに進める。知っていると思うが、魔王は復活する、いつか必ず。ただ倒すだけではだめだ、その奥に潜む元凶を絶たないといけない』


 魔王が復活したというのは周知の事実だ。だが、その奥に潜む元凶……?

 倒してもまた復活するなら、魔王を復活させる存在がいてもおかしくはない。

 ドラトニスはその存在を知っていて、元凶を絶つためにこれだけの準備をしていたのだろう。

 で、精霊化魔法が使えるようになったので次のステップに進めと。

 記憶が完全に戻っていないから、残された記録を辿るしかないか……。


『この本が置かれてる部屋からちょうど千メートル真下に座標を合わせて転移しろ。大丈夫、生き埋めになることはない、ちゃんと広い空間を作ってるからな。生まれ変わった俺が来るのを楽しみにしてるよ』


 走り書きはこれで終わりだ。

 本の内容もこれで終わり。

 続きは記された座標の先でってことか?

 かなり深い場所に空間を作っていたようだ。

 まあ、嘘を書いて俺を生き埋めにしようとしてる……ということはないだろう。

 どうかな……ワザと精霊化を失敗させて死にかけたし、更なる嫌がらせという可能性も。


 こればっかりは行ってみないとわからないな。


「ちょっと出かけてくるよ」

「おでかけですか、アレクシス様。お供しましょうか?」


 近くにいたリンシアに言付けてから転移しようと思ったが、うーん、お供か。


「いや、安全かどうかわからないし。俺一人で行くよ」

「……安全かどうかわからないなら、即座に治癒が可能なわたしが居た方がよいのでは?」


 一理ある。

 がしかし、生き埋めになる可能性も無いとは言い切れない。

 さすがに無いだろうけどさ。


「ドラトニス様の残した追加の研究資料を見に行くんですね?」

「よくわかったな」

「それはもう。本を読み終えた直後にキリッとした顔で出かけてくるだなんて言うのもですから」


 めっちゃ見られてた。


「それに、ドラトニス様がどんなものを残したのか。わたしも気になったりしちゃったりするので。アレクシス様、我儘を聞いていただいてもいいですか?」


 ぐ、ぬぬ。

 プラチナブロンドの髪を揺らし、大きくウルウルとした瞳で首を傾げながら可愛く我儘を言うリンシアの願いを聞き届けられないほど俺は愚かではない。

 一生童貞だったドラトニスとは違うのだよ。


「わかった、一緒に来てくれ。もし怪我したら、その時は治癒をお願いするよ」

「はい、かしこまりました!」


 笑顔の美女というのは、絵になるものだ。

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