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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
152/200

152 以前の俺はちょっとひねくれてたらしい

 余りにも勢いよく話が進んだもんだから、どのぐらいの時間で聖剣が修復できるのか聞きそびれていた。

 結局、アグナの屋敷まで行って聞くことになったのだが、どうやら修復は二日ほどで完了するらしい。

 その間、アグナは昼夜問わず飲まず食わずで作業するそうだ。

 頑張ってくれたまえ。


 修復が完了するまでの時間は帝国の拠点で待機する。

 聖剣が直れば魔精霊シェイドとの戦闘が予想されるため、ドラゴンも一緒に待機だ。

 本人はちょっと嫌がってたけど、俺とリンシアに逆らえばどうなるか知ってるので素直に従ってくれた。安心しろ、お前も死なせるつもりはないからな。


 で、魔精霊シェイドだ。

 穴の底が魔力の供給源となっているみたいで、そこから動く気配はない。

 さすがに数日で自由に動けるようになるまで成長はしない……と思いたいけれど。

 あの超巨体を完全に消滅させるには聖剣の力が必須であると思われる。

 どのみち待機するしかない。


 待っている間に読書タイムだ。

 ドラトニスの書いた魔法理論の本だけれど、凄まじいスピードで読み進めている最中だ。

 何故か以前より本を読むスピードが速いだけでなく、書かれている術式理論をどんどん暗記できる。

 確実に精霊化魔法を発動した影響ではなかろうか。


 魔精霊シェイドとの戦闘後、精霊化魔法を解除したら凄まじい倦怠感やらなにやらに襲われたが、リンシアに治癒魔法をかけてもらうとパッと霧が晴れたようになった。

 さすがに精霊化中までとはいかないが、以前より確実に頭の回転が速くなっている。

 今ならより複雑な術式も組み上げることができるだろう。

 ドラトニスの記した本にも、そう記述されていた。


 で、間もなく全ての本を読み終えるのだが、またドラトニスの走り書きを見つけた。なになに。


『ここまで読み進めたってことは、多分精霊化魔法の発動に成功したんだろう。次世代の闘戦士の協力をどうやって得たのか知りたいものだ』


 まあ、うん。アレな約束で協力を得ましたよ。


『さて、本題に入ろう。精霊化魔法を成功させたということは、今の俺と同じ状況にあると思われる。ちょっとは思考回路が速くなったんじゃないか? 術式を組むのも楽だし、こうやって本を執筆するのも瞬殺だ』


 ドラトニスだった時もこの境地に至ってたんだな。

 そうでないとこんな複雑な術式を本に書くことなんて不可能か。


『ちなみに細胞が作り替わってるから寿命が延びてると思うぞ。今コレを書いてる俺の年齢は多分百五十歳ぐらいだ。途中から数えなくなったので詳しくはわからん。闘戦士の方も寿命が延びて以前よりさらに強くなってると思うぞ』


 なんだその副作用は!

 本には全然書いてなかったぞ!

 いや、ここに走り書きで記したのか、本文に書いとけよ。


 ドラトニスは何歳まで生きたのだろうか。

 これだけの魔法理論を生きている間に書けたのは凄まじいなと思ってたけど……、かなり長生きだったようだ。実際、何歳まで生きたのだろうか。

 俺が今ここにいるということは、とっくに死んでいるとは思うけど。

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