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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
151/200

151 ドラゴンは早く行きなさい

 ひとまず、リンシアとリリーは止まりそうにないので、ニーナが誤った道に進まないようにと、ドラゴンを黙らせておいた。悪く思わないでほしい。

 てなわけで、目的の魔鉱石を入手できたのでアグナのところへ聖剣を修復してもらいに向かうことにする。

 ドラゴンはさすがに街中にいると目立つので、帝国の拠点で待機してもらう。

 そんな寂しそうな顔をしても駄目だ、さっさと行きなさい。


「テメェら! 戻って来やがったか!」


 ドラゴンの姿が見えなくなった直後。

 アグナのところに向かおうと思っていたら、あっちからやってきてくれたようだ。

 アグナを先頭に、先程穴から救助したドワーフたちもいる。

 すごい勢いで走ってきた。


「驚いたぜ。どんな手を使って救助するのかと思ってたが、まさか全員を一瞬で地上に移動させちまうなんてな。これが勇者の力ってやつか?」

「いいえ、すべてアレクシス様のお力です。勇者ニーナの本領は聖剣を修復してからですよ。いいですね、アレクシス様のお力です」


 リンシアが即座に補足する。

 いや、そんなに俺の名前を強調しなくとも。


「アレクシス……やっぱテメェ、ただもんじゃねぇな。いいだろう、魔鉱石を取って来れたなら、全力で聖剣カラドボルグの修復に取り組ませてもらう」

「あ、魔鉱石ならここにあるよ」


 そう言って、ニーナが虹色に輝く魔鉱石をアグナに差し出した。


「おい、てめ、こいつは……。なんて純度だ……魔鉱石が輝いてやがる……」


 とてもいいリアクションいただきました。

 他のドワーフたちも「おぉ……」と言いながら眼を見開いて魔鉱石に釘付けになっている。

 採掘を行っているドワーフでも、ここまで純度の高い魔鉱石を見るのは初めてであるようだ。


「まさか、救助のついでに穴の底まで行ってきたってのか?」

「どっちかというと救助のほうがついでだったけど。かなり激しい戦闘だったから揺れなかったか?」

「まて、戦闘だと? 確かに何度も揺れがあったし、穴から変な光が飛び出したりしてたが……何があったんだ」

「ちょっと復活した魔王の手先が待ち構えてて。挨拶して魔鉱石だけいただいてきた」


 アグナが手を頭に添え、「信じられん……」とつぶやいてる。

 信じられないかもしれないが、紛れもなく事実なのだ。


「てなわけで、聖剣の修復を頼むよ。期待してる」

「ああ……俺に任せとけ。最高の一本に仕上げてやる」


 動揺した様子だったが、最後は威厳のある雰囲気でそう言い切った。

 任しておいて大丈夫だろう。

 ニーナから折れた聖剣と魔鉱石をかっさらい、向かってきた時と同じくドワーフ集団が勢いよく走り去っていった。

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