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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
144/200

144 リンシアの笑顔はたまに怖い

「クンクン。ドワーフの、におい」


 どうやら、リリーが助けを待っているドワーフのにおいを嗅ぎつけたらしい。


「ドラゴン、あっちだ」

『うむ、まかせろ!』


 ドラゴンが体勢を傾け、穴の中央から壁側へ移動しながら硬化していく。

 横穴からこちらの様子を伺う、ドワーフたちが見えてきた。

 が、あれ、なんだか武器を構えて威嚇されてない?


 バサリとドラゴンが翼をはためかせ、スピードをゆるめる。

 横穴の真横に到着したところで、その場に浮遊した。


「邪悪なドラゴンめ! さては魔王の手先だな!」

「昨日の地震もお前の仕業か!」


 うん、完全に敵意むき出してある。


『フン、愚かな下等種族め! 貴様らなど我のブレスで一撃で葬り去って――』

「調子乗ってると雷落とすぞ」

『はいすみませんなんでもありません。我が悪うございました』


 ドラゴン、完全に雷がトラウマになっている。

 まあ、あんな経験をすればね……。


「脅かしてしまってすまない! このドラゴンは敵じゃない、助けに来た! アグナさんにはもう話は通ってる、安心してくれ!」


 そう声をかけると、ドワーフたちはザワザワと顔を合わせて話しだした。

 いや、うん、ちょっと配慮が足りなかった。

 いきなり巨大なドラゴンが現れたら敵にしかみえないよな。


「ドラゴンに乗る一行、その話は本当か!」

「ああ、本当だ!」


 肉体強化魔法を発動させ、ぴょんとドラゴンの背中から横穴に飛び移る。

 両腕と背中に三人がくっついたまま。

 リンシアとニーナが空気を読んで離れたが、リリーは背中にくっついたままである。


「人間と……獣人の軍人か。初めて見る顔だが、アグナ様のお得意様じゃあねぇな? どこの国の者だ、助けたからって不当な取引しようってんじゃないだろうな」


 採掘を行うドワーフの代表者らしき人物がそう声をかけてきた。


「そんなことはしない、あなた達を助けたらアグナさんに武器の修理の依頼をするだけだ。不安なら地上に戻ってから本人に聞いてほしい」

「まあ、いいだろう……。どのみち、俺たちだけじゃ上に登れないからな。アグナ様が派遣してくれたってんなら、お前らを信じるよ」


 ひとまず、争いにはならなさそうだ。


「しかし、ドラゴンといえば昔猛威を奮った魔物じゃないか。ソイツに乗ってきたってのか? いや、実際に乗ってきてたんだがよ。お前らが手懐けたのか?」

「ああ、リンシアが手懐けた。瀕死と再生を繰り返して心をポッキリ折る感じで」


 そう言いながら、リンシアを紹介する。


「ほお、嬢ちゃんが……。人は見かけによらねぇからな……」

「アレクシス様、後で覚悟しておいてくださいね?」


 え、なんで!?

 なんだ、その言ってくれましたね? みたいなオーラは。

 ありのままを伝えただけじゃないか!

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