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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
138/200

138 メンタル強者

「じ、自称なんかじゃありません! アタシは本物の勇者――」

「俺の話はまだ終わってねぇ!」

「ふえぇ! ごご、ごめんなさい!」


 ニーナが威厳を保ちつつ勇者であることを伝えようとしたが、遮られてしまった。

 ヘコヘコと謝っている、まだまだ対人スキルは低い。

 こういう時こそ禁術級の心象魔法で対抗すればいいのに。


 ひとまず、まだ話は終わってないとのことなので、耳を傾ける。


「昨日よぉ、俺は夢を見たんだ」


 はい、夢ですか。

 ……あれ、それで終わり?

 俺達を睨んだまま黙ってしまったぞ。

 返事を待っているのか?

 いやでも、また話は終わってねぇ! と言われるかもしれないし。


「どんな夢だったか聞きやがれ!」


 いや、返事待ちかよ!

 タイミングの分らん人だな!

 ニーナは脅え切ってるし、リンシアが事情を説明しても遮られそうだし。

 リリーは、多分夕食のことを考えている。

 ここはちょいと俺が対応するか。


「どんな夢だったんですか、アグナさん」


 禁術級の心象魔法を使ってな。


「テメェ、雰囲気が変わったな。いいだろう、俺がどんな夢を見たか教えてやる」


 このアグナってドワーフ、禁術級の心象魔法による威圧を受けても平気そうだ。

 かなり出力を抑えているとはいえ、凄い胆力である。


 アグナの話を聞いていると、どうやらドワーフの始祖であるドグマの夢を見たのだとか。

 凄まじく繊細で難度の高い技術、聖剣カラドボルグをドグマが汗を流しながら打つという夢だ。

 アーネリアフィリスからニーナに神託があったのは今朝、そしてアグナが聖剣を打つ夢を見たのも今朝。

 つまり、このアグナというドワーフこそ折れた聖剣を修復できる、まさにその人物なのではなかろうか。


 ちなみに、昨日の地震の影響で寝る暇もなかったのに急に意識を失って夢を見たらしい。

 アーネリアフィリス、意外と強引。


「よく分からねぇが、今の俺には力が漲ってる。聖剣だって打てそうだ。んで、合わせるように勇者を自称するヤツも現れた」

「その件でお願いが――」

「だが、だがよッ!」


 お願いしようと思ったらま話を遮られた。

 てか、俺の心象魔法の威圧を突破して叫んでるぞ。

 アーネリアフィリスに力を授けられた影響かどうかわからないが、普通に凄い。


「なんだそのひ弱そうな勇者は! 夢でみた勇者とはまるで違うじゃねぇか! それに、聖剣カラドボルグが折れただと? ふざけんじゃねぇ! そんなヤツが勇者だっていえるか? あぁッ!」

「ちょっと落ち着いてください。それと、俺の話を聞いてもらっても?」

「――ッ。仕方ねぇ、言ってみろ……」


 あまりにも熱が入ってたので、心象魔法の出力を高めて威圧を行った。

 さすがにここまで威圧すれば効果があるようだ、話を聞いてもらえそうである。

 ……普通の人に向けたら一瞬で失神するレベルの威圧なんだけどな。

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