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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
137/200

137 話は順調に進んで……ると思いこむのは止めよう

 店主に紹介状を書いてもらい、お礼を言って店を後にする。

 ちなみに武器は買わなかったが、部屋に飾る装飾品を買っておいた。

 なんでも昨日起きた揺れで一部商品が破損し、客は避難してしまうでちょっと困ってたそうなのだ。

 なので、壊れずに残っていた装飾品を買い占めると、引くほど喜ばれた。


 アグナという人物はドワーフ鉱山の街のメインストリート、その中央に巨大な店を構えているらしい。

 先ほどの店主の店もメインストリートにあったので、有名であるのは間違いないのだろう。


 で、教えてもらった店に到達した訳だが。

 こりゃまた前衛的な建物だ。

 周りの建物より一際大きく、何というか見た目が迷子だ。

 木材や石材が絶妙なバランスで組み合わさっており、実用性があるのかどうかは不明だが、迫力のある建物であるのは間違いない。

 ドワーフはエルフ同様、寿命が人間よりかなり長いので、年を重ねたドワーフは独特なこだわりを持ったりするらしい。


「すみません、紹介状を持ってきたんですが」

「あん、紹介状だ? 見せてみろ」


 建物の警備をしていると思われる、ちょっと怖面のドワーフに紹介状を渡した。


「おいこりゃガゼルの紹介状じゃねぇか。アイツが紹介状を書くとは珍しい、確かにお前らいい面構えしてんな。ちょっと待ってろ、アグナ様に取り次いでくる」


 すんなりと話が進んだぞ。

 うん、信じてなかった訳じゃない。ちょっとテンションの起伏が激しい人だなって思ってただけで。

 名前すら聞くのを忘れていたが、あの店主はガゼルというらしい。

 用事が済んだら帰りにまたお買い物に寄ろうかな。


 しばらく待っていると怖面のドワーフが戻ってきて、建物の中に入るよう言われた。

 上手く取り次いでくれたらしい。


 建物の中は外の形状と同じく、かなり入り組んでいる。

 下手すりゃ迷子になりそうだ。

 壁には技術を自慢するかの如く、立派な武具や道具などが沢山飾られている。

 やがて、いかにもボスがいそうな雰囲気を放つ扉の前に辿り着いた。


「アグナ様がお待ちだ、入るといい」


 そう言いながら怖面のドワーフが扉を開けてくれた。

 扉の向こうに待ち構えていたのは――


「テメェらか、勇者を自称するのはよ」


 鋭い眼光を放つドワーフが俺を睨みつけて、そう口にした。

 どこかオスヴァルト皇帝陛下に似たカリスマを感じる。

 おそらく、上級の心象魔法を使うことができるのだろう。

 あれ、ちょっと威圧してきてない?

 勇者を自称してるとか言ってるし、話はちゃんと通ってたんじゃないのか?

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