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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
135/200

135 帝国産はかなり優秀

 店の中は様々な武具が並ぶ。

 装飾の施された高そうな杖を手に取ってみると、魔道具であることがわかった。

 ほうほう、魔力循環の上昇効果があるのか。

 どれも一流の品であると思われるのだが……俺の使う大魔法使いの杖に比べると劣る。

 勇者パーティー専用に作られた武器や防具は超一流ということなのだろう。


「どうだい兄ちゃん、気に入った武器はあったか?」

「うーん、そうだな。ここに並んでる武器よりいいものはあるか?」

「冗談はよしてくれ、俺んとこの武器はドワーフ鉱山でもトップレベルだぞ。値段もかなり張るから声をかける客は選んでるつもりだが……。兄ちゃん、普段そんな武器を使ってんだ」


 これがトップレベルなのか。

 店主が嘘をついているようには見えない。

 転移魔法を使い、大魔法使いの杖を呼び寄せてた。


「ほい、これが俺の杖だよ」

「今どっから取り出した……? まあいいが、ん……待て、これは……」


 大魔法使いの杖を手にとったドワーフが目を見開いた。


「おい、兄ちゃん。ホントにこれを使えるのか? というかこの杖、一体誰が作ったんだ」


 やけに食い気味である。

 あれ、もしかしてマズかったかな。


「ええと、帝国のドワーフ技師だと思うんだけど」

「帝国だと!?」


 さらに目を見開いた。

 うん、やはり見せるのはマズかったかもしれない。

 普通に口が滑った。


「帝国といやぁ、いくら武器を売り込んでも全く相手にしてくれない国じゃねぇか。なるほど、お抱えのドワーフ技師がいるからわざわざ買う必要がなかったってことか」


 何故か勝手に納得しているように見える。


「しかしまあ、この杖に仕込まれてる術式を見るに、膨大な魔力がないと扱えないような代物だぞ。無理に使おうとしたら魔力切れで死んじまうんじゃないか?」

「生憎、生まれつき魔力量が多いみたいで」

「およそ人間の魔力量とは思えんな……。実はエルフだと言われたほうが信じれるぞ」


 そういやリンシアがエルフは高い魔力を持ってるとか言ってたっけ。

 リンシアの魔力量が俺よりも多いのって、転生前がエルフだったというのも関係しているのだろうか。


「まあ、ちょっと訳アリで」

「ドワーフ鉱山までワザワザ武器を見に来るような連中はどれも訳アリが多いけどな。客相手に無駄な詮索はせんよ」


 ありがたい配慮だ。


「しかし、そんだけいいもんを持ってるってことは武器を新調しにドワーフ鉱山にやってきたんじゃなさそうだな。格好から見ても観光にやってきたわけじゃぁなさそうだし。何が目的でここまで来たんだ」


 詮索はしないんじゃなかったのか。

 まあ、帝国出身ってことを明かしてもそれ以上言及してくることはなさそうだし。

 ただの営業トークかな。


「実はちょっと直したい武器があって」

「ほう、武器か。兄ちゃんほどの武器を直せる技師となると……宛は限られてくるぞ。少なくとも俺では無理だろうが……その武器を見せてもらうことはできるか? 技師の紹介ぐらいできるかもしれん」

「それは助かる。ニーナ、ちょっと来てくれ」


 キラキラとした目で店内を物色していたニーナを呼ぶ。


「アレクシス、どうしたの?」

「店の旦那が修理をしてくれる技師を紹介してくれるかもしれないって。一度、聖剣を見せてあげてくれないか?」

「おい兄ちゃん、今聖剣と言ったか……?」

「うん、わかった」

「まて、聖剣と言ったよな?」


 なんだか店主が凄く困惑した表情になっているが、ニーナはお構い無しで折れた聖剣を鞘から抜き出した。


「はい、これだよ」

「なっ、聖け……は……折れて……? なッ――――――――――――――――――アァッ!?」


 店主の叫び声が、店の外まで響いた。

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