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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
132/200

132 天然なのか、狙ってるのか、どっちだ

 ある程度本を読み進め、キリのいいところで中断した。

 ベッドに横になり、目を瞑る。

 ぶっちゃけ寝なくてもリンシアの治癒魔法により体調を回復できるんだけど、気分の問題だ。

 ふかふかの布団というのは気持ちがいい。


 という訳で朝を迎える。

 リリーに破壊された扉はいつのまにか直されていた。

 さすが、仕事が速い。


 身なりを整え、朝食を食べに拠点の食堂に向かおうとしたところ。

 慌てた様子でニーナがこちらに走って来るのが見えた。

 ワンピース型で、少し大きめの薄手の寝間着を身に着けているようで、実に際どい。

 慌てて走っているので、その勢いでめくれ上がった寝間着の隙間から、時折こんにちわする三角形の布の色は薄ピンクである。


「アレクシス! さっきアーネリアフィリス様から神託があったの!」


 おっとそれは重要事項じゃないか。

 気を取られている場合ではなかった。


「ひとまず、食堂に向かおうか。朝食がてら、他のメンバーにも共有したほうがいいだろうし」

「うん、わかった」


 てな訳で朝食を口に運ぶ。

 やはりうまい。


 アーネリアフィリスの神託によると、ドワーフ鉱山に住まうドワーフの一人に聖剣を打ち直す力を授けたとのこと。

 姿形や名前は教えてくれなかったみたいだが……。

 多分、出会えばわかるとのことだ。

 けっこう適当だよな、アーネリアフィリスの対応って。


 んでもう一点。

 こちらは聖剣とは別の話だが、ドワーフ鉱山付近から不穏な魔力を感じ取ったとのこと。

 アーネリアフィリス自身、ニーナ以外に干渉するのはかなり大変なようで、あまり状況を把握できていないようだが。

 十分に気を付けるようにとのことである。


「昨日の揺れと何か関係があるかもしれませんね」

「アレほんとビックリしたわー。ベッドに縛られてたから逃げることもできなかったし」


 ごめんって、アンナ。


「結構広い範囲で揺れたみたいだな。そういや、リンシアは昨日どこ行ってたんだ? 揺れが起きた時、拠点にいなかったみたいだけど」


 荷物を整理した後、ちょっと出かけてきますと聞いたきりだ。


「ええ、少し。前世の大聖女コルネリアに所縁のある場所へ行っていました」

「所縁のある場所?」

「はい、エルフの森です」


 ほう、エルフ。

 エルフ?

 あの耳の尖った美形の多い種族のことか?

 確か帝国にもそこそこ住んでいた気がするけど、リンシアの前世といったいどういう関係があったのだろうか。

 てか、エルフの森があるのか?

 この周辺に。


「差し支えなければ聞いてもいいかな?」

「もちろん。大聖女コルネリアはエルフでしたので、挨拶に向かっていました。まあ、追い返されてしまったのですが……」


 ほう、エルフ。

 エルフ?

 思考がループし始めたぞ?

 かつての勇者パーティーだった大聖女コルネリアがエルフだと言いましたか?

 ……マジで?

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