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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第三章
125/200

125 読書タイム

 結局、お風呂からあがっても第二ラウンドが始まり、ベッドの上で激しい戦いが繰り広げられた。

 リンシアのスタミナ持続の禁術魔法により、もう俺の辞書に限界という文字は存在しない。

 なんというか、毎晩毎晩大運動会が繰り広げられているけれど。

 別にドラトニスの感じた無念を晴らさんとしようとしている訳ではないぞ。

 俺が選んで彼女たちを愛しているのだから。


 てな訳で朝を迎える。

 着替えを済ませ、豪華な朝食を済ませ、全員集合したところで魔導車にのってドワーフ鉱山へ出発だ。


 魔導車に乗るメンバーは俺とリンシアとリリーとニーナ。そしてアンナ。

 アンナには俺のお世話係(意味深)として同行してもらう。

 一人、帝都でお留守番にさせるのではないかと心配そうな顔をしてたからね。

 アンナは俺の女だからもちろん連れていくぞと豪快に攻めておいた。

 いつもよりよかった。


 それはそうと、ニーナの眼の下にクマができている。

 非常に眠そうだ。

 原因は明らかである。


 夜の大運動会を部屋の外からひっそりと覗いていたからですよニーナさん。

 バレないとでも思っていたのだろうかニーナさん。

 流石にアンナでも気が付くレベルで声が漏れてましたよニーナさん。

 一人で覗きながらイケないことをしてましたねニーナさん。

 初めて遠出するので緊張して眠れなかったと嘘をつきましたねニーナさん。


 別に仲間外れにするつもりはないけれど……。

 ニーナは公国の令嬢であり、勇者であり、次期皇帝陛下というポジションだ。

 魅力がないとかそういう意味じゃなくて、そう易々と手を出していい相手ではない。

 もちろん、俺が本気でニーナのことを好きになってたっとすれば、そんな壁も乗り越えていくのだろうと思うけど。

 リンシアたちと同じ感情を向けれない。


「アレクシス、ずーっと本読んでるけど何の本?」


 魔導車で寛ぎながら本を読む俺にアンナがそう話しかけてきた。


「これか? 強くなれる理由を知った人が書いた本だよ」

「なにそれ、よく分かんな……ってうわ。文字と記号しか書いてないじゃない……。よくそんなの読めるわね」


 そりゃまあ、ドラトニスが真面目に研究して書いた本だからな。

 研究部屋に置いてあった本の量は、とてもじゃないが一日やそこらで読み切れる量ではなかった。

 持ち運ぶには数が多すぎるので、本棚に転移魔法の座標をセットし、いつでもどこでも魔法理論の書かれた本を転移させられるように準備していたのだ。

 これで手荷物なしで済むし、本を読み終わったらすぐに次の本を読み進めることができる。


 本を読み進めていて分かったが、ドラトニスは俺が今使っている転移魔法の術式にも精通しており、より完成度の高い方法を確立してた。

 多分、これで転移したときの気持ち悪さは無くなるのではないか、と思われる。

 というか、俺が思いついた術式の基礎は全て書かれてそうな気がする。

 記憶としては完全に忘れてしまったけど、生まれ変わってもどこか奥深くで研究した内容を覚えていたからこそ、極限の状態で多種多様な禁術魔法を編み出せたのではないだろうか。


 その証拠に、最初は本を読んでも全然理解が及ばない理論だと感じたが、今はどんどん理解が深まっていく。

 まるで最初からその理論を知っていたかのように。

 次の戦いではもっと役に立てそうである。

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