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禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第二章
106/200

106 禁術魔法、ダブル聖精霊召喚アレンジVer

 俺の周囲に結界魔法が展開された。

 全ての音が遮断され、無音の空間が広がる。

 禁術魔法を構築する為の下準備だ。


 勇者の力なしで魔精霊を倒すには、聖精霊の力が不可欠。

 精霊は、俺達とは根本的に存在の次元が違う上位存在、その力をこの世界に具現化させるのが召喚魔法だ。


 聖精霊の本来の力すべてを出し切れるわけではないが、それは魔精霊も同じ。

 俺達からすれば圧倒的な力であることには変わらない。


 さて、普通に聖精霊を召喚してもよかったが、その場合、この辺り一帯が消し飛ぶ可能性がある。

 魔精霊ウンディーネと巨獣化したリリーの戦いだけでも大変なのに、そこに聖精霊が加われば目も当てられない。


 という訳で、術式のアレンジだ。

 魔精霊シルフィードと戦った時に召喚した聖精霊イフリートと同じように、俺が敵と定めた相手にだけ攻撃が有効になる召喚術式を組み上げるのだ。


 かつ、頭の中に存在する術式をそのままポンと使うより、時間をかけてでも自分で術式を組み上げた方が魔力消費量が少なくて済む。

 より強力な禁術魔法が発動できるというわけだ。


 アーネリアフィリスより授けられた完璧な術式理論を紐解いていく。

 かなり理解が深まっているので、テンポよく構築が進んでいく。

 そこに俺のアレンジを加えていった。


 より複雑と化した“二つ”の術式が同時並行で組み上がっていく。


 不意に、ゴォンッ! という爆音が響く。

 視線を向けると、俺が展開している結界魔法に巨獣化したリリーがぶつかったようだ。

 若干、結界にヒビが入っている。

 おいおい、魔精霊ウンディーネが巨獣化したリリーを投げ飛ばしたのか?

 精霊なのに武闘派だなぁ、シルフィードの時もそうだったっけ。


 リリーが結界を足場に魔精霊ウンディーネに向かって跳躍する。

 その勢いで結界がさらにひび割れ、ボロボロになってしまった。

 危ないな!?

 潰されるかと思ったぞ!


 だが、ここで集中力を乱すわけにはいかない。

 リリーが全力で持ちこたえてくれているんだ。

 それまでに、聖精霊を召喚させる。


 直後、俺の前方に緑と青、二つの巨大な魔法陣が出現した。

 まもなく召喚完了だ。


 この嵐の中、炎の系統を司る聖精霊サラマンダーに実力を発揮させるのは難しい。

 ならば残るは風の系統を司る聖精霊ジン、もしくは水の系統を司る聖精霊リヴァイアサンから選ばなければならない。


 俺が選んだのは、そう。


 ――両方だ。


「行け、第二柱・聖精霊ジン! 第三柱・聖精霊リヴァイアサン!」


 魔法陣の複雑な幾何学模様が凄まじい勢いで旋回し、閃光を放つ。

 光の中から現れた巨大な二体の獣は――――――、


『GYURUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU――――――――――――!!』


『BGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA――――――――――――!!』


 咆哮をあげ、殺すべき敵に向けて飛翔した。

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