表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
禁術の大魔法使い  作者: うぇに
第二章
104/200

104 この日のために、色々考えてました

 魔精霊ウンディーネの叫び声の途中、大魔法使いの杖を振りかざし、雷の禁術魔法を放った。

 俺達だって必死なんでね、叫んでいる隙を見つけたら遠慮なく攻撃させてもらう。


 雷撃は一直線にウンディーネに吸い込まれていく――、が。

 容易に薙ぎ払われてしまう。

 まるで身体に付着した埃でも払うかのように、ダメージを与えられた様子はない。


 かなり強めに禁術魔法を放ったのだが、やはり移動できるほど成長した魔精霊の力はとんでもないようだ。


 反撃と言わんばかりにウンディーネの目の前に巨大な青い魔法陣が展開された。

 おいおい、ノータイムでそんなに巨大な魔法陣が展開できるのか?

 刹那、圧縮された激流が俺に向かって放たれた。

 もちろん、反撃を予期していたので問題はない、はず。


 禁術級の結界魔法に少々手を加えて発動させた。

 結界の角度は斜め45度。

 攻撃を撥ね退ける特性ではなく、力を別の方向へと流す特性を加えた結界は、ウンディーネの放った激流の勢いを上空へと逸らす。


 真面目に攻撃を受けたら力負けする可能性もあるからな。

 少し工夫して攻撃を受け流す方法を取ってみたが、どうやら成功のようだ。


 リリーの準備は……もう少しみたいだな。

 じゃあ、もうちょっと応用を利かした術式理論を試してみるとでもするか。


 再び杖を振りかざし、補助系統……それの転移魔法を発動させた。

 だが転移するのは俺ではない。

 豪雨の中を飛び交う上級精霊数体が姿を消す。

 直後、魔精霊ウンディーネの頭部が爆発した。


 あれ、成功した?

 もしかしてこれで倒せたり――、


『ル゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛√﹀╲_︿╱﹀╲/╲︿_/︺╲▁︹_/﹀╲_︿╱▔︺╲/————ッ!!』


 しないみたいだった。

 瞬時にウンディーネの頭部が再生する。

 頭が吹き飛んでも再生するって、めちゃくちゃじゃないか。


 ちなみに、今行ったのは、飛び交う上級精霊を魔精霊ウンディーネの頭の座標へと転移させただけだ。

 転移先に何も存在しなければただ転移が完了するだけだが、もし物体が存在した場合。

 同一座標に重なった物体同士が反発し、爆発が巻き起こる。

 強靭な肉体を持っている魔精霊の頭を吹き飛ばすほどの威力だ。


 通常自分以外の、それも動き回る対象を転移させるのは不可能に近い。

 座標を定めることができないし、なにより俺でも負担になるほどの莫大な魔力が必要になる。

 だが、アーネリアフィリスより授かった召喚魔法を紐解くことで、転移魔法の改良に繋がった。

 転移させる対象の座標ではなく、存在そのものをロックオンし、転移させる。

 そうすれば動き回る対象の座標をピンポイントで狙う必要はないし、最適化されている召喚魔法の術式を使いまわすことで低コストで利用可能だ。


 ぶっちゃけ、魔精霊じゃない普通の魔物ならこれだけで全て勝負がつくだろう。


「アレク! ぷいぷい!」

「わかった!」


 どうやらリリーの準備が終わったらしい。

 普通に返事をしてしまったが、ときどきリリーが発言するぷいぷいとは一体何なのだろうか。

 わからん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ