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ランク分けされた世界で

作者: 元

息抜きで書いてみました。


育成ゲームをやったことはありますか?

某野球ゲームや某サッカーゲームのように、選手の名前や個性を設定し、自ら鍛え、成長させ、強くし、強いチームを作る。

全ての項目は数値と評価で目視することが出来る為、そのキャラクターはどこが優秀なのか、逆に何が欠落しているのかを瞬時に見れる。

より優秀なキャラクター。

より強いキャラクター。

より良いスキルを持ったキャラクター。

プレイヤーである貴方は、ひたすらより良いキャラクターを作成していく。

じゃあ、もし、そんな風に人の素養が才能が努力が特性が数値になったら?

これはそんなお話。



ある大学病院で一つの命が産声を上げた。

そして、同時に二つの奇跡もまた起きたのだ。

一つは赤子の遺伝子ランクが《Eランク》であったこと。

お産に立ち会った看護師、助産師、担当医はその結果に青ざめた。

遺伝子がランク分けされて久しい日本では、遺伝子ランクの低い赤子を親が捨てるという問題が起きていたのだ。

そして、その赤子を産んだ両親は夫婦共に《Aランク》だった上に稀少スキルである『並列演算』と『高速思考』も二人とも先天的に会得していたのだ。


「あの……お子様ですが……。遺伝子結果は《Eランク》でした……。」


夫婦は医師からの結果を受けて即座にこの赤子に降り注ぐ障害や弊害。人々から注がれる軽蔑と差別と侮蔑の合わさった視線。

そして自らに降り注ぐ不利益。自らの立場が悪くなるのもすぐに分かった。

親族や親戚も良い顔をしないだろう。

だが、夫婦はそれらの不利益を脇目も振らずに振り切った。


「私達の……子供よね……。」

「ああ……。神様からの贈り物だよ。」


夫婦のその言葉により二つ目の奇跡が起きた瞬間だった。

打ち捨てられ、親の手から離れる筈だった小さな命は守られた。

夫婦は二度の流産を経験していたからだ。

養子縁組も考えたが、二人は最後に自分達で子供を授かりたい、と親族を説得し、今回の出産に臨んだのだ。

手放す訳がなかった。

例え、それがどれほど過酷な道のりだったとしても。世間に何を言われても。

その腕に抱かれた命の価値は、その他全ての評価を上回ったのだった。


続きません。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 夫婦がランクを度外視して新たな命を大切にしようとしているところ。 [気になる点] ジャンルが、近未来風なのでSFに放り込んだほうがいいのではないかと感じました。 [一言] この短編から、優…
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