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アドリオンの黒狼王  作者: 田中一義
幼少期1 在りし日のアドリオン
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生誕 アストラ歴430年


 アストラ歴430年。アドリオンの小川に雪融け水が流れてきた、うららかな季節に産声が上がった。

 若きアドリオン領主のミナス・アドリオンとその妻、オルガは第一子の誕生に喜び、産まれた男児にセオフィラスと名をつける。


 L字型にも似た大陸の東を統べるボッシュリードの最西端であり、いつ敵国であるグラッドストーンが攻めてくるか分からないという土地がアドリオンである。大きな森がグラッドストーンとの国境も同然であったが、その深い森を抜けることは難しく――アストラ歴430年においては長閑な田舎でしかなかった。



 セオフィラスはすくすくと成長した。

 くりくりとした黒い瞳は愛らしく、両親や、アドリオンの屋敷の使用人、のみならず屋敷があるアルブス村の領民にも人気だった。それでいて利発そうな顔立ちだと評判だった。たくさんの愛情を注がれながらセオフィラスは乳児期を過ごし、1歳になるころには弟が産まれた。


 その5年後には妹で、待望の女の子が産まれたとあって誰もが祝福をした。

 6歳になっていたセオフィラスは産まれたばかりの妹がかわいくて、何度も何度も自分の腕に抱いてあやした。




 それはそれは幸せを絵に描いたような家族だった。




 そしてセオフィラス6歳、アストラ歴436年――。

 後の彼を語る上で避けては通れぬ、ある重要な人物と出会いを果たす。


 この出会いがなければ、セオフィラス・アドリオンという男が偉業を残すこともなかったかも知れない。あるいはしかし――その方が、幸福であったのかも知れない。

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