……現代……
わたし「内藤藍葉」(ないとうあおば)
高校三年になった頃、お腹が目立ってきたので、休学をしていた。
もうすぐ臨月を向かえようとしたある日、親友の梶原双葉が家にやってくる。
「どう、お腹の赤ちゃんは?」
「うん、順調に育っているよ、」
「そう良かった、ところでその赤ちゃんの父親はだれ?」
「うぅーん、信じないと思うけど、双葉なら話してもいいかな?」
わたしは、幕末にタイムスリップして、そこでの出来事を親友の双葉に話して聞かせた。
「そんなファンタジーみたいな不思議なことあるわけないじゃん、」
双葉は、腹を抱えて大笑いしていた。
「でも、ほんとうのことだから、現にその時の子供がここにいるのだから…」
「もし、それがほんとうなら、その赤ちゃん、沖田総司の子供!」
「うん、そう言うことになるかな?」
双葉は、早くその赤ちゃんの顔を見たいと言って帰って行った。
事実、内藤家に伝わる。
銘刀『正雪』が家宝として、大事に守られていた。
藍葉が産んだ子供と沖田総司のDNAを調べれば、はっきりするのだが、そんなこと信じて調べる者は誰もいないだろう。
確かにわたしのそんな不思議な体験でした。
……完……