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『夢』へのチャレンジ

「記憶を取り戻したところで本題・・

に入るね。

実は、今世界では、

醜い人種差別が復活しつつあるの。

今から4年前、中東で富裕層が貧困層を奴隷にするという『奴隷化革命』が起こったの。

奴隷化革命では次のことを貧困層に認めさせたの。


『貧困層の子供は、いくら成績が良くても、富裕層のように高い教育を受けることはできない。貧困層は永遠に富裕層よりバカでなければならない。』

『富裕層の子供には、

幸せな将来を約束するが、

貧困層が、幸せな将来をおくることは禁止する。一生、富裕層の手足となり働くのだ。』

『貧困層は労働を常に富裕層に提供する。

貧困層の人権は認めさせない。

だから、貧困層は富裕層のペットだ。

いらなくなれば、貧困層を殺してもいい』

そして、富裕層は『支配帝国』と言われる

独裁的な奴隷帝国を築き上げたの。

どう?、

酷いでしょ、カイト」

ミキは、いつの間にか涙ぐんでいた


「……なんで、貧困層はそんな馬鹿げたことを認めた!」

僕は、叫んだ。

「最初は、反抗したわ。

でも、富裕層は、独自のルートで武器や戦車を手に入れ、貧困層を大量殺戮したの。

そして、特に反抗した貧困層は、

貧困層たちの目の前で、

戦車にじわりじわりとひき殺されたの。

そうよ、支配するための『戒め』よ。

反抗したら殺される。

だからあんな馬鹿げたことでさえ

認める必要があった。」

ミキがまるで自分のことのように言った。

「他の国が黙ってないだろ!」

「最初はそうだった。

周辺の国々は支配帝国への貿易を

全面的に禁止した。

でも、裏では、多額の富と殺戮兵器との

取引があったの。

富裕層が得たその兵器で、周辺の国々は瞬く間に支配帝国の植民地となったの。

植民地の人間はみな貧困層とみなされ奴隷になった。

つまり、逆らう国はすべて奴隷になるの。

それに、アジアの国家には公にこの事を

報道することを全面的に禁止した。だから、

支配帝国のことを知っている人はほとんどいない。でも、私は偶然にその事実を知ることができたの。

ひょっとしたら、運命なのかもしれないね。」

ミキの重い声は僕の耳奥まで届いた。

「僕に…どうしろと。」

僕は、次にミキがとてつもない事を言うと思いあえて聞いた。

「ミキと一緒に、腐りきった世界を変えて欲しいの。現地に行って少数の支配者さえ暗殺すれば、また元のように『平和』になる!

そうすれば、みんな幸せになれる!

だから、お願い!ミキと一緒に戦って。」

ミキは力強かった。

「どうして、僕とミキがそんな危険なことしなければならないんだよ!

『俺たちには、関係ないだろ!』」

僕は半ば怒り気味でそう言った。


「それは……カイトの本当のキモチ?」

「え!」

僕は、とっさのミキの優しい一言に戸惑った。

「あなた、いつか、私と一緒に夢を叶えるって言ったじゃない!

愚かな考えを持った人には、怒り、そして

考えを改めさせる。」

「でも、富裕層暗殺は……」

「そう、あなたは、人を殺すことを最も嫌った。

でも、それしかないの。

富裕層は何を言われても、カネと自分のことしか考えてない。


そうよ、富裕層を殺すことによって何百倍もの貧困層が救えるの。

これが、現実よ!

あなたは、綺麗事しか言わなかった。

でも、世の中、綺麗事だけじゃ語れないの。」

僕も、綺麗事なんて結局は薄っぺらいものだとわかっていた。

そうだ、僕の夢



それは、罪のない大勢の子供を救うことだ!

たとえ、自分の命を犠牲にしてでも。

ミキが、苦労して僕に会いに来てくれたのに

僕は、なんて愚かなんだ!

僕は昔(医師だった時)の情熱を取り戻した。


「ごめん、僕が間違っていた。

君と世界を救いたい。」

僕は、目を覚ましてくれたミキ感謝した。

「ありがとう。

やっぱりあなたは、

昔と変わらず見て見ぬフリをする人じゃなかったわ。

とってもうれしい。

でも、あなたが殺されそうな時は、

いつでも守ってあげるよ!

だってあの時、私は先生に助けられたんだもの。

だから、あなたは自分の夢のことだけを考えて。

あなたが夢を叶えること……それがミキの夢だから。

だから、あなたの夢のためなら喜んで犠牲になるよ!」

僕は悟った。

それってつまり、

ミキは僕の身代わりってことじゃないかと。



「わかった。でも、ミキは死なせない。

僕は、君を愛しているから」


そうだ、僕はこの正義の塊のような人

『本多 美紀』に恋してしまった。

恋というのは、2人の『キモチ』が一致して初めて成立するものだ。


「ありがとう、それじゃあ、2人で、

この世界を変えて、いつまでも幸せでいましょう」

2人はそう約束して共に抱き合った。



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