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ホームから落ちた六人の大男達の内、後方にいた二人は、それぞれアリッサとリーガに後頭部をつかまれて、落下する勢いで顔面をレールに叩き付けられた。二人はうつ伏せに倒れたまま大量の血を流し、そのまま動かなくなった。
これで二人が戦闘不能。
すぐさま、後に残された見張りの大男が、コートの内側からサプレッサー付きの拳銃を抜いて、急いでホームの端に駆け寄った。その時、右足首を、下にいたアリッサにつかまれて思いきり引っ張られ、ホームから勢い良くすべり落ち、端の部分に激しく後頭部をぶつけ、意識を失ったまま線路の側溝に転落した。
これで三人が戦闘不能。
残り四人の内、最前列にいた二人はうまく受け身が取れず、膝を強打した上、他の二人の下敷きになって、身動きが取れなくなっていた。
その上に落ちた二人は、下の二人がクッションとなった為、ダメージが少なく、一人はすぐに立ち上がろうとしたが、リーガに足払いをかけられて転倒し、のどに全体重をかけたかかとを落とされて意識を失った。
これで四人が戦闘不能。
もう一人は、立ち上がりざま、アリッサの背後から襲いかかろうとして、逆に右腕を捕らえられ、そのまま背負われるように前方に投げ飛ばされた。大男は空中にきれいに弧を描いて、レールに腰を強打し、体を動かすことが出来なくなった。
これで五人が戦闘不能。
膝をやられて立てなくなっていた残り二人の内、一人は拳銃を取り出そうとしたが、長いサプレッサーが邪魔になってうまく抜けない。四つん這いになってまごついてる所へ、側頭部をリーガに思い切り蹴飛ばされて、地面に横たわった。
これで六人が戦闘不能。
最後の一人は、何とか拳銃を抜くことには成功した。が、引き金に指をかけたまま、拳銃をアリッサにねじり上げられ、まず人差し指、続いて手首を折られ、さらにそのまま腕をからめられて、肘と肩も粉砕され、最後は奪われた拳銃の台尻で、脳天を殴られて気絶した。
これで全員が戦闘不能。
アリッサとリーガが線路に飛び降りてから、わずか二十秒の間の出来事だった。




