表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃げ足道場 ~私を面倒事に巻き込まないでください~  作者: 真宵 駆
◆◆第一章◆◆ 託児所の平和を守る者
6/104

◆5◆

「いえ、行く先々で、様々な武術を見学していることは確かなようです。色々とお話を聞かせてもらいました」

 ノルドがあわててフォローを入れた。それでもアリッサは首を振り、

「見学だけだったら、誰だって出来ますからね。もっとも、今は平和な時代。いきなり、『いざ尋常に勝負』、なんてことにはならないでしょうけど」

「道場破りなんかやったら、逮捕されますからね。僕も少々武術をやっているので、ヴォーンさんに一手ご指南を、とお願いしたのですが」

「断られたでしょう」

「はい。道場の外では試合はしない、とのことで」

「道場の内でも断るわよ。面倒くさがりだから」

「面倒くさがり、ですか。じゃあ、その後でヴォーンさんに『まず娘と勝負してみなさい』と言われたんですが、それも」

「面倒くさがってこっちに押し付けたか。まあ、私と試合したところで、何の参考にもならないと思うけれど」

「ヴォーンさんの話では、アリッサさんも相当の実力者とお聞きしましたが」

「それ大ウソ。自分が面倒に巻き込まれたくない一心で言った、その場逃れよ」

「そうだったんですか?」

「父は、面倒事から逃げる為ならどんなことでもやるわ。でも、せっかくそういうことで来たのに、何も無しじゃ悪いわね」

「いえ。時計もお渡ししましたし、僕はこれで帰ります」

「ウチの門下生達と立ち合ってみる?」

「あの子供達とですか? それは流石に……」

「まあ、見れば分かるわ、いらっしゃい」

 アリッサは立ち上がって、ノルドを稽古場まで案内した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ