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逃げ足道場 ~私を面倒事に巻き込まないでください~  作者: 真宵 駆
◆◆第四章◆◆ 特別列車の帰宅困難者

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59/104

◆5◆

「失礼、ちょっと席を外します」


 今までほとんど会話に加わらなかったリーガが、そう言ってゆっくりと立ち上がる。


「どうしたの?」

 アリッサが尋ねる。

「トイレ、君も来る?」

「一人でどうぞ」


 そんなアリッサとリーガのやりとりを見て、シェルシェが少し笑った。


「本当に、お二人は長年連れ添った夫婦のようですね」

「連れ添ってません。付き合いが長いことだけは確かですけど」

 アリッサは口をへの字に曲げた。

「倦怠期ですかね」

 リーガが爽やかな口調で言う。

「うるさいわね、さっさと行きなさい」

 リーガはアリッサに追い立てられるように、ラウンジを出て行った。


「ふふふ、リーガさんがアリッサさんの婚約者だと知っていれば、もう少し広くて見晴らしの良い、二人用個室を用意しましたのに」

「いえ、もう十分広い個室を用意して頂きましたから。三人位寝れるでしょう、あの広さだと」

「でしたら、お二人とも同じ個室で寝られても構いませんよ?」

 シェルシェが、いたずらっぽい微笑を浮かべて言う。


「いえ、せっかくあんな広くて豪華な部屋を独り占めできるのに、アレと一緒なんてもったいないです」


 アリッサは、きっぱりと言い切った。


「ふふ、からかいがいのない人ですね、アリッサさんは」

「これぐらいで動揺してたら、村のおばちゃん達を相手にやっていけませんよ。ある意味、あの人達は政財界の大物よりも手強いかもしれません」

「そうかもしれませんね」

 シェルシェは、くすくすと笑った。

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