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逃げ足道場 ~私を面倒事に巻き込まないでください~  作者: 真宵 駆
◆◆第三章◆◆ 木刀と金属パイプと私

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38/104

◆7◆

「ミノン、もう気は済んだかしら? この試合は、アリッサさんに無理を言ってお願いしたものです。ここまで、ということにしなさい」


 大の字に倒れたまま放心状態のミノンに、シェルシェが近寄って声をかけた。


「あああっ!」


 ミノンは雄叫びを上げて、がばと跳ね起きる。


「正直、もう一度戦いたい……しかし、参りました。アリッサさん」

「私だって、一歩間違えば、この手が潰されていたかもしれません」

 アリッサはにっこりと笑って、右手をミノンに差し出した。

「ははは、パティと言い私と言い、まだまだ未熟者だ。今日は本当にありがとうございました」

 ミノンは、その手をしっかりと握り返す。


「では、試合はこれまでとします。皆さんは、引き続き稽古を続けてください」


 シェルシェは二人の握手を見届けてから、門下生達に向かって申し渡した。


「シェルシェは、アリッサさんと試合をしないのか?」

 ミノンの無邪気な問いに、シェルシェは微笑んで、

「これは、あくまでもあなたとの試合ですからね。もっともアリッサさんが、私との試合も受けてくださると言うのであれば、話は別ですが」

 そう言ってシェルシェは、アリッサの方を意味ありげにちらと見る。


 アリッサは、シェルシェの最後の言葉を聞かなかった振りをして、逃げるようにリーガの方へ歩み去った。


「清々しい程、何の役にも立ってなかったわね、リーガ」

 わざとらしい笑みを浮かべて、アリッサが言う。

「良かったじゃないか。僕がアリッサの役に立つような、深刻な事態にならなくて」

 リーガも爽やかな笑みを浮かべて、それを受け流した。


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