第一話入部①
2年になった俺、橘徹の通う高校に妹の真理が入学した。
正直、妹が同じ高校に入ってくれて滅茶苦茶嬉しい。
そして真理は俺の所属している部活に入部した。
「何で入ってきたんだよ」
俺は今、長机の端にある椅子に腰を下ろしている真理に話しかけていた。
緩む頬をバレないように隠すのが精一杯だ。
「別にいいじゃん!それに、お兄ちゃんは私が入って嬉しでしょ?」
上目遣いで言っているが遠くてどや顔にしか見えん。
それに、嬉しいだと?
はは何を言う?
この世に実の妹が入部したぐらいで喜ぶ男がいる訳がないだろう!!!
ここに居ましたヾ(´ー`)ノ
超!超!超!嬉しい!!!
だって真理だぜ!?
超可愛い俺の妹真理だぜ!?
嬉しくないはずが無いだろ!
まだあどけなさが残る幼い顔に、ツインテールでニーソ。
っておいそれ
もうまじたまんねぇ!!
神は存在したんだ!!
さっきから緩みっぱなしの頬がもう限界だ!
おっとやべ涎がじゅるり。
家で見るのと学校のしかも放課後に部室で見るのはやっぱ違うな!
「何?お兄ちゃん?ちょっと……ううん。かなりキモいよ」
じと目で見る真理。
これもたまんね。じゅる
「み、見てねーし」
組み直した足とか見てねーし。
ふと周りをキョロキョロしだす真理。
これも小動物見たいで可愛い。
「てゆうかここ、何部?他の部員は?」
あっこいつ何も知らずに入ったのか。
ていうかじゃ何でここ入ったの?
まっいいか。とりあえず説明、説明。
「ここは暇潰し部。とりあえず暇を潰す部。卒業した先輩が創った部で部員は俺以外にいない」
一通り説明すると真里は何か呟いた。
「と言うことは……お兄ちゃんと……二人……へへっ」
だが小さくて聞こえない。
「なんか言った?」
もしかしたら俺に言ったかもしれないと思い確認
「何も言ってない!」
違いました。
だけど顔をリンゴみたいに真っ赤にして言わなくてもいいのに。
その顔も可愛いからべつにいいんだけどさ。
スマホで撮っとこ。パシャ
よし後でPCに保存だ。未来永劫この可愛い妹の表情は残すぜ!
そう脳内で考えていると真理が立ち上がった。
そして満面の笑みで
「よろしくねお兄ちゃん」
と言った。やべっまじ可愛いんですけど。
「お、おうっ」
少し声が裏返ってしまった。
というわけで妹の真理が俺の所属している部、暇潰し部に入部しました。