今日で神様辞める!
彼は、自ら生み出した子供たちに神様と呼ばれていました。
名前を持たない彼にとって、それはとても嬉しいことでした。子供たちと同じ場所に立てた気がしたからです。子供たちからもらった名前は、彼にとって宝でした。
そうして神、と名乗るようになった彼でしたが、ある日気づいてしまいました。神様、とは名前ではないことに。
子供たちにとって、彼の存在は尊すぎたのです。
彼に名前を聞くこともできない。ましてや名前をつけることなどできるはずがない。そこで子供たちが考え付いたのが『神様』という尊称でした。もちろん、決して悪い意味ではありません。
しかしそれは、彼にとって一線を画されているのと同じ。つまりは子供たちと彼は別物である、と言われているのと同じだったのです。
彼は、とても悲しみました。彼はあくまでも、子供たちと同じ場所に立ちたいのです。
彼は、考えました。どうすれば子供たちに近づけるのか、と。
考えて考えて、一生懸命考えました。
そしてある日、子供たちを集めた彼は緊張した面持ちでこう言いました。
「チョベリバ」
ちょ、神様! その言葉は古いです。しかもいきなりそれじゃ意味が分かりません!
勇者・魔王・冒険者・神様と来ました。さて。他に何か職業あるだろうかと首を捻る。