本名がゼルバベルになりかけた話
私の本名がゼルバベルになりかけた話です。
私の父親は牧師だ。そう、キリスト教の教会にいる、あの牧師である。
今日は、そんな父が私に「ゼルバベル」と名付けようとした話をしようと思う。
時は遡り十数年前。母のお腹に赤ちゃん(私)がいることが分かった頃。
当時は私の性別もわかっていなかったので、女だった場合と男だった場合の両方を考えていたらしい。
女だった場合の名前は、今の私の本名とあともう一つが候補になった。
問題は男だった場合の名前である。父は、聖書にゆかりのある名前がいいと思った。
でも、イザヤ君やエリヤ君などは聖書名付け界隈では珍しい名前ではない。
父は、唯一性のある名前がいいと考えた。
常日頃聖書と向き合う牧師である父が長いこと考えてたどり着いた名前が、ゼルバベルだった。
この話を聞いた時、私は心から爆笑した。
そして、女に生まれて良かったと心から思った。
さすがにゼルバベルは本当に名付けようとしたわけではなく、思い付いた名前がゼルバベルであっただけの、ネタである。
この時深夜テンションだった私は、母に聞いてみた。
「え、ゼルバベルってもしも本当に名付けようとしたならやっぱカタカナでゼルバベルやったん?」
「うん。カタカナやね」
「じゃあ漢字のゼルバベル考えない?」
「なにそれw面白そう。夜露死苦みたいな?」
「そうそう。ゼルバベル…ゼルバベル…。あ、絶流馬…?」
「ベルをさあ、鐘と書いてベルって読むようにしたら?」
「天才じゃんwじゃあ絶流馬鐘ってことかw」
二人で腹を抱えて笑っていると、それを眺めていた父が一言言った。
「なんか頭悪そうな当て字…w」
いや、ことの発端はあんたですやん。
過去一書いていて楽しかったです。