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文字が紡ぐ異世界  作者: きつつく
邂逅
3/4

第三話

何が起きたんだ?


そう思いながら出てきたボールペンを見ると、さらに驚きました。出てきたボールペンは、ぼくがいつも愛用していた商品でした。


「現実で、こんなことが」


こんな力が突然使えるようになった自分が怖くなってきました。しかし、今は山の中で遭難している身なのです。一刻も早く家に帰るためにも、これくらいで驚いていてはならないのです。ぼくはそう思い、この能力を色々試してみることとなりました。


「そういえば、起きてから一切ごはん食べてないな...おなかすいた」

そう思い、〈高菜おにぎり〉と書いてみました。


また文字が浮かび上がり、見慣れた三角形になっていき...やがて、書いた通りの、しかもちょうど昨日食べたフ〇ミリーマートのおにぎりとなりました。


「できたはできたけど...これ、本当に食べられるの?」

いくら文字が好きとはいえ、食べたことはありません。文字って、どんな味なのでしょうか──


おにぎりの味でした。



どんどん行きましょう。次は物体じゃなくても大丈夫なのか試してみます。おにぎりを食べてお腹いっぱいになったので...

〈適度な空腹感〉と書いてみました。


すると、文字が液状になったと思えば飴玉のようになりました。これ、完全にインクですよね。真っ黒いし。

「いただきます...」

なめると、イカ墨のような味がします。さすがインクですね。そして、すぐに効果は表れ、「すこしおなかすいた」程度の空腹になりました。どうやら、効果覿面のようです。



この能力、一体なんなんでしょうか。もしかして自分は山の中にさらわれていて、そこで人体実験されていたり...

考えるだけでも恐ろしいです。絶対、秘密にしておきましょう。





検証は終わり、 〈か〇くらのラーメン〉と書いて空腹を満たしていると、ボールペン、紙、ナイフが置いてあった棚の下に何かが落ちています。よく見ると、何かが書かれた紙のようです。もしかしたら、地図かもしれません。見てみましょう。


「だめだ。ぜんっぜん、読めない!」

文字好きと自称しているだけあってメジャーな文字は押さえているはずなのですが、この地図はまったくわかりません。しかし、ラテン文字と漢字が合体したようなかんじです。日本ではまず見ません。

何語かわからないので、なんて書いてあるのかもわからずじまいです。


「あれ、これさっきの能力使えば読めるのでは?」

気づいてしまいました。そして、紙に〈ある言語を的確に指定の言語に翻訳できる能力〉と書きました。すると、どういうことでしょうか。先ほどとは違い、虹色のグミになりました。いただきます。


ゴクリ。


「ん、なんか頭痛が...痛い!」

すごい頭痛がします。頭の中が弄られる、不快な感覚。こんなの聞いていません...

しかも、なんだかとても疲れてきました。眠いです。もう起きていられません。ぐう。



おはようございます。30分前は散々でしたが、地図を見てみましょう。


言語翻訳 v1.0

ある言語→日本語


「なんだ、これ」

パソコンのダイアログのような、謎の表示が視界の片隅に現れます。一体、どんな人体実験をされたのでしょうか...

それはいったん置いておいて、文字を読みましょう。


「読める...読めるぞ!これは日本語だ!」

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