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謎の死神その1

「ふぁーー」


 起きた明は大きなあくびをした。このところ死神みたいな幽霊な奴に怯えて眠れない日が続いていた。久しぶりにぐっすり眠れて気分がいい。


「おはようございます。吉正明さん」

「おはようご……」

「え!?」


 ベッドの横を見ると正座している桂木桜がいた。


「な、なんで!いるんですか!?」


「所長に言われていた仕事が早く片付いたので、聞いたら明くん起こしてきてーって言われたので先程部屋に入りました。」


「だったら声かけて下さいよ!!逆に怖いですよ!!」

「?声かけたんですが?全然起きませんでした」


「……ちなみにどうやって起こしました?」


 桜は不思議な顔色でこたえる。

「吉正明さん起きて下さい。と」


  声小さいわ!!と言おうとしたが言葉を飲み込んて肩を落とした。


「では、起きた所で朝食にしましょう。下に準備してありますので」

「はぁ……」


  なんかあまり慣れない人だなぁと思う明であった。


 

「おはようー明くん!よく眠れた?」


 事務所に降りると匤人がお茶をのみながらテレビを見ていた。そう言えばこの事務所はダイニングキッチンの隣りに応接間があるのだった。だから、何故か昔みたいな間取りの様な感じがする。


「あ、味噌汁」

「ん?どうした?」


「ああ、いや。いつもカップ麺とかパンばっかり食べてたから、久しぶりだな…って」

 懐かしいな社会人になってから殆ど簡単な食事ばかりだったから……。


「うちの桜が作る飯は美味いよ!食べな!」


 匤人はにっこり笑って白米を自分の目の前に置いてくれた。

 白かった。ご飯が真っ白で銀色に輝いていて白米だけでも美味しそうだ。そこに味噌汁と鯖の塩焼きと味のりと漬物。


「…………」

 ゴクリ。

「い、いただき、ます!」


  明は味わった魚の塩加減も絶妙で味噌汁もコクがあってあっさりした味付けだ。


「…………うまい!」

「そんなに美味しいですか?いつも通りなんだけどな」


「桜。今はそっとしておこう。君がここに来た時と同じじゃないか」


 チラリと明を見た彼はそんな彼女など、気にせず無我夢中で食べていた。桜は静かに顔を逸らして食事を続けた。

「…………」



 そして、朝飯のおかわりを3回して満足した明。一方で昼ごはんどうするか考える桜。今月お米をあまり使いたくないなと思いながら外食かなと思い至る。久しぶりにたらふく食べた明は満足していた。そして桜が洗い物をする姿を見てすかさず自分も手伝いに行った。


「手伝います!」

 少し驚いた桜は微笑んで明に指示をする。


「じゃあお洗った皿をそこに立て掛けて下さい」

「はい!……あ!ご飯!美味しかったです!ご馳走様でした!」

「それは良かったです」


 匤人はにやにやしながら二人を眺めていた。それに気付いた桜は嫌そうな顔になった。


「先生その顔何ですか?」

「いや、別に……」


 笑いながら食後のコーヒーを飲む匤人。十分位後に匤人に呼ばれた明は隣の部屋の会議室に行く、行くとそこには多少の紙か資料とパソコンがあった。昨日作業していたのだろう、乱雑に置かれてあった。


 早速桜がパソコンの場所に座ると匤人もテーブルの奥の椅子に座った。そして

「明くんそこに座って」


 明は再確認した、俺は今死神に追われてここに居るんだった。どんな質問されるんだろう生い立ちから?生年月日?出身地?


「まず、始めにこの場所は誰に聞いたんだい?」

「え?あの……最初警察に相談へ行ったんです。そしたら安斎って言う刑事の人に、ここを紹介されました」


「……………………」

 何故か探偵は黙っていた、しかも苦笑いしながら。向かいの椅子でパソコンを使ってメモしている桂木さんまで、眉間に皺を寄せている。


 「……あの――、どうしたんですか?なにか俺間違ったことしました?」


 探偵は深く溜息を吐いて明の顔をみた。その顔は何か諦めたような感じだった。


 「……いや、何でもない。今は君の話を聞こう。いつから死神?が見えるようになったんだい?」

 

 

 

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