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第9話 〜誰だこいつ?〜

 ーー放課後ーー


「勇人、本当に藍さんの家に案内してるのか?」


 日佐人は藍が風邪をひいたと先生から聞いたらしく、それを聞いた日佐人は藍の家に行ける口実が出来たと考えた。


 勿論、藍の家など知らない日佐人は藍の家を知っているであろう勇人に付いてきている。


「なんか、喋ってくれよ。藍さんの家に着かなかったら最悪じゃんか」


 教室からここまでずっと無言の勇人に付いてってるため心配になっている日佐人。

 それでも、勇人に付いて行くしかないので勇人の隣を歩いている。

 学校を出て約10分。勇人に付いて歩いていると、勇人の家が見えてきた。

 日佐人は勇人が藍の家に案内してくれなかったと思う。

 前までの日佐人なら、俺が教えろって言ってるのだから早く教えろよと言うはずだ。だが、今の日佐人は……


「いや、勇人さん。藍さんのお家を教えていただけませんか?」


 敬語を使えるようなった。自分勝手で、なんでも自分の思い通りになると思っていた日佐人が、藍が転校してきてこんなにも変わった。勇人はそれに少し驚く。

 だが、勇人は日佐人の心境を無視し自分のアパートの階段を上ってゆく。


「勇人さん! いや! 勇人様! 本当に教えていただけませんか!? お願いします!」


 日佐人は階段を上ってゆく勇人の後ろを付いていく。勇人が見ていないのにも関わらず手を合わせてペコペコする勇人。


「お願いです! 牛乳パンを10個は奢ります! だから! この通り!」


 2階の外廊下に着いた時、日佐人は勇人に向かって頭を下げる。それを見た勇人は日佐人の信念に負ける。溜息をつき藍の部屋のインターホンを押す。


 ————ピンポーン


 日佐人はその姿を見て困惑し、勇人の近くに行き様子を見る。なんで勇人は自分の部屋じゃない部屋のインターホンを押しているのか?

 確か勇人はもう一個奥の部屋のはず。なのに、何故ここのインターホンを押しいるか? それは直ぐに分かった。


 ————ガチャ


 鍵が開いた後、ゆっくりとドアが開く。


「あ、勇人くん、日佐人くん。お見舞いに来てくれたのー?」


((誰だこいつ?))


 2人の心の声が重なった。勇人と日佐人は藍の姿を凝視する。

 乱れた髪に、赤い頬。風邪をひいているのだからそれは仕方がない。

 だが、1番違うのは声色と目付き。声色はいつもの可愛らしい声だが、更に可愛らしい純粋無垢の子供のような声になっていた。

 目付きはいつもと変わらない筈なのに、どういう風に表現すればいいか分からない目付き。だが、その目を見たら自分は襲ってしまうのではないかと思う。


「2人共あがっていいよー。早く早く」


 2人の手を取り、無理矢理自分の部屋の中に入れた。

 2人はその手に連れていかれ、慌てて玄関で靴を脱ぐ。

  部屋に入るとそこはピンクを基調とした可愛らしい部屋だった。藍はベットがあるところに行き、勇人達を床に座らせる。


 藍はベットに座り勇人達を見下ろす。

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