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第22話 閑話:マシュ・ゼッテンその2(エロ注意)

続きですが、えっちーなシーンがあります。R-15の範囲だと思いますが、とにかくエロがあるので、よいこの皆さんはスキップして、同時公開した第23話にジャンプしてください。この話は読まなくてもメインストーリーに影響はありません。

「ひ、ヒルダ様、お戯れを…」

「戯れではないぞ。わしの知識は偏っておるから聞いてみたのじゃ。知らんなら、それでよい」

「知らないことはないですが…」

「お、そうか。どうするのじゃ?」

「お尋ねすることをお許しください」

「おお、いいぞ」

「それを聞いて、ヒルダ様はどうなさるおつもりなのですか」

「うむ、出来れば性交をしてみたいと思っておる」

「ダメですぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!!!!!」

「びっくりした。マシュも大きな声を出せるのじゃな。なぜダメなのじゃ」

「ダメに決まってます天使のヒルダ様が。第一そんなに幼いのに出来ない…あれ、そういえばそれはそれで…私がお相手に…いやあ、ダメですダメ!絶対にダメです!!!!!」

「ああ、そういえばこの体は幼かったな。性交は成熟しないと出来ないということか」

「すみませんちょっと落ち着かせてください…すーはー、すーはー、はい、大体わたしの年齢ぐらいから出来るようになります。ヒルダ様はまだまだ先のお話で」

「ふむ、そうか。マシュは性交したことがあるのか」

「ひえっ!…ないです、ないです…」

「そうか、じゃあ無理にとは言わん。聞かなかったことにする」

「ヒルダ様!そんなもったいない、いえ、もったいないお言葉、性交とは何か、このマシュがお教えいたします」

「そうか、それは助かる」

「実体験はありませんが、ユーテックスのキャンプで、見ました」


 ユーテックスはアウロ=シュダンジュ連邦の旧首都レグナントが邪神に破壊された後の新首都じゃったな。


「ユーテックスのキャンプはそれほど不自由なものではありませんでした。食事も一日2回いただけましたし、同年代の子もたくさんいて、まだ初等教育だった当時の私は、お泊り旅行のようで、むしろ楽しかったです。

 でも、大人はそうではありませんでした。邪神というわけのわからないもののせいで家や仕事を失い、気持ちが荒んだ人も多かったのです。また、同じレグナントからの難民といっても見知らぬ者同士が一つ屋根のキャンプで暮らすというのは無理がありました。軍が壊滅して騎士や警備兵の巡回もほとんどなく、次第に大声での怒鳴りあいや、喧嘩が増えていきました。

 けれどそのうちに、喧嘩の強い人、声の大きい人の序列ができ、最も強い人が場を仕切るようになりました。ボスですね。そのおかげで争い事は少なくなっていきました。

 ボスを頂点に序列の順にリーダーやサブリーダーが集まり、ボスの組織は次第に大きく強くなりました。キャンプは家族ごとに割り当てがあったのですが、ボスたちは自分たちの割り当てを増やしていきました。いつの間にかボスのブロックに壁が立ち、陣地になりました。1日2回の食事や物資の配給もボスたちが仕切るようになり、キャンプの運営のためという名目で彼らの取り分が大きくなりました。

 文句を言う男の人もいましたが、そういう人はボスの陣地に連れて行かれ、大けがをして帰ってきました。

 ほかのキャンプも似たような状況で、そのうちキャンプボス同士が手を握り、キャンプ全体を管理するようになりました。ボス同士も順位があって、大ボスがキャンプボスにいろいろ指示をしているようでした。

 そのうち大ボスは自分のキャンプから一般家族を追い出し、独占しました。そこでキャンプボスやリーダーが一緒に住み、サブリーダーとその手下が各キャンプを巡回するようになりました。変な言い方ですが、キャンプはより安全になりました。食事と支援物資の割り当てが減りましたが、それをがまんすれば安心して暮らせました。

 でもその安心も長くは続きませんでした。大ボスは各キャンプから食料や支援物資のほかに、女性をボスキャンプに連れて行くようになりました。

 若くてきれいな女の人が選ばれました。人妻でも独身でも関係ありませんでした」


「長いな。ところでヒトヅマとかドクシンとはなんじゃ?」

「すみません、短くまとめるのが昔から苦手で…。人妻は結婚している女性のことです。自分の妻なら単に妻ですが、他の男性の妻が人妻です。独身は、結婚していない人のことです」

「ケッコンとはなんじゃ」

「国によって考え方が少しずつ違うのですが、トラヴィストリアでは共に生活することを神に誓った男女のことです。死のその日まで共に生き、子を成し、育てることを宣言します」

「してみると種付けをする男女のことのようじゃな」

「結婚しなくても性交することはありますから…ちょっと違うかも…」

「ルーイとレオナールは結婚しておるのか?」

「されてないです!といいますかやっぱりそうなのですね!ルーイ姉様、オヤジ趣味だったとは。うすうす気がついていましたがヒルダ様もご存知だったのですね」

「そうなんじゃ。だから最初はルーイに性交のことを聞こうとしてたのじゃ」

「それはやめておかれた方が。ああ見えて、ルーイ姉様打たれ弱いです。ヒルダ様にレオナールとの逢引きが知られていると知れば、どんなことになるか」


 前の主人が死んだショックから立ち直ったばかりじゃったな。でも知られては困るようなことをなぜするのじゃろうか。わからんな。


「話を続けます…長いですがお許しください…女の人たちは、連れて行かれっぱなしということはなく、数日から長くても10日ぐらいの間には家族のもとへ帰されました。食料や配給品を多く持たされて帰ってくるので、連れて行かれる家族もあきらめたり、むしろ早く大ボスから声がかからないかと期待する者もいました。

 ただ、戻ってきた女性たちはしばらくは放心状態で、家族もどこかよそよそしくしていました。

 そのうち、サブリーダーが私をキャンプに連れて行こうとしました。私はそのころから身長がグングン伸び、大人びた体つきになっていましたので、間違えられたのでしょう。お父さんがその子はまだ9歳だと言って止めてくれようとしましたが、下手な嘘はやめろとサブリーダーに殴られてしまいました。

 お父さんが泣きながら土下座をしても聞き入れてもらえず、私は大ボスのキャンプに連れ込まれてしまいました。

 キャンプの中に小屋があり、それが大ボスの部屋でした。その中にはどこから持ってきたのか大きなベッドや高そうなサイドボード、ランプ、香炉なんかがありました。なによりベッドに大ボスが裸で、その周りに連れてこられた女の人たちも裸で(はべ)っていました。

 私が首に下げていた難民票をサブリーダーが取り上げて大ボスに渡しました。大ボスはじろっとそれを見て、サブリーダーを殴りました。こいつは子供だばかやろうと怒っていました。多分サブリーダーは、文字が読めなかったんだと思います」


 ロリコンではない。

 ファド・ストルゲンではない。

 大ボス、乱暴ではあるが、意外にいい奴かもしれん。ちゃんと統治しているし、女に土産を持たしているし。


「連れてきた以上はしばらくいろ、雑用係にする。とりあえず香を絶やすなと言われ、香炉のそばで立っていました。

 新しい女が来なかったからもう一度だ、と言いながら大ボスは足元で伸びている女性を背中向きに引き寄せました。そして皆の前で性交をはじめました」

「ついに核心じゃの!で、性交ってどうやるのじゃ!?」

「はい、見たままを申し上げます」


 マシュの話は衝撃的じゃった。

 性欲と快感に溺れる。気絶するくらい気持ちいいものなのか、性交というものは。

 そんな世界があったのだな。

 敵をせん滅する高揚感のようなものか。

 己を鼓舞することは否定はされんが、過度な興奮は冷静な判断を鈍らせると戒められておった。

 ルーイもレオナールとの性交の快感が忘れられなかったのかのう。


 それにしても男のあれに小便する以外の役割があったとはな。

 興奮すると堅く大きくなるなんて初めて聞いたぞ。そんな機能があったのか。

 もしかしたら、わしらは性交する必要などないから、もともと遺伝子レベルで削除されていたのかもしれん。

 キンタマは力を込めるとき用と我慢比べ挨拶用だと思っておったわ。

 精子をそこで作って、尿道口から出すのか。なるほどそういわれれば玉と竿は繋がってるように思えるな。


 かつまた、女の股にそんな穴があるとは。

 しかも赤子を産む出口にもなるとは。

 入れて出す。

 すごいな女は。


「わしの股にもそんな穴があるのじゃろうか。おしっこする穴があるのは知っとるが、指で触っても()()()ものはないようじゃが」

「ひ、ヒルダ様、今触っておられるので?」

「うむ、触っておる」

「どの指ですか?」

「これじゃ」


 ぱく。

 マシュに中指を見せたら食べられた。


「おい、さっき小便したとこだしばっちいぞ」

「ほのかな塩味が甘さをさらにひき立てます…ヒルダ様の味、蕩けるようにおいしいです…」


 口に含んだままレロレロとわしの指を舐める。

 体液フェチ。

 そんな単語が頭に浮かんだ。

 休み時間にパヴァかダムドが言ってたような気がする。

 いや、あれは匂いフェチだったか…。

 マシュが折りたたんでいたナプキンがどう使われて、なぜいらなくなったのかがわかった気がした。


「ああ、マシュはやっぱり我慢できません!」


 さっき大ボスの性交の話をしてからさらに顔が赤くなっておるな。

 微に入り細に入り語ってくれていたが、自分でいいながらマシュ自身も興奮しているようじゃった。

 そうでなければ、わしの指など口に咥えんだろう。


 淫語プレイ。

 そんな単語が頭に浮かんだ。


「脱ぎます!」


 おいマシュそれは!


 マシュはためらいなくパジャマの上を脱いだ。

 大きな胸がまろび出た。先端のピンク色の部分が尖っていた。

 わしは鼻血を…あれ?噴かない?

 おおっ、女体耐性を獲得できたのか!偉いぞわし!


「ヒルダ様!マシュを、マシュをお許しください…」


 マシュはパジャマの下に手をかけた。

 下着ごと、脱ぎ捨てる。

 マシュの下半身が露わになった。なるほど、女は毛がないのかと思っていたが、大人の体になると生えるものなのじゃな。


「ヒルダ様、わかりますか?…マシュもまだ未通ですが、ここが男性のモノを受け入れるところでございます…」


 マシュが花弁のようなその部分を指で開いて見せた。

 わしは、鼻血を出す前に気絶した。


 露出狂。

 そんな単語が頭に浮かびながら。



 気がつけば朝だった。

 マシュはいなかった。


 朝食の前にルーイに連れられてマシュが謝りに来た。

 昨夜一人で酒を飲んだ後の記憶がなく、朝、わしの部屋で裸で寝ているのに気づいてあわててメイド部屋に戻ったところ、すでに起きていたルーイに捕まったそうだ。

 監督する立場のルーイが夜中にメイド部屋を離れていたことも主人への礼を欠いた行動の原因なので、ルーイ自身も謝罪した。

 レオナールの部屋にいたことをルーイは伏せていた。わしも黙っていた。

 マシュの懸念を聞いていたからな。


 マシュの記憶がないというのはどうやら本当らしかった。

 逆行性健忘。アルコールの回りが遅い体質の者が過剰に酒を摂取した場合、飲み始めまで遡ってごっそり記憶が失われることがある。基地にもそういう奴がいた。普通に喋っていた時の記憶もないと言っておった。

 マシュがやたら饒舌だったり話が長かったりしたのは、酒のせいだったのじゃな。

 声もデカかったしな。


 マシュは飲むと性欲が増す体質なのかもしれぬな。えらく積極的じゃったし。


 酒乱。

 そんな言葉が頭に浮かんだ。

 ちなみにトラヴィストリアでは飲酒防止年齢はないらしい。


 ぐっすり寝ていたので、マシュが寝室を間違えたことは特に問題はないと二人を許した。


 実際は気絶しておったのだが。


 マシュとの出来事はわしだけの秘密にしよう。

 性交のなんたるかもわかったし、女にもある程度の耐性がついた。

 弱点の克服は着実に進んである。いいことじゃ。


 さあ、学校じゃ!

 午後はタタラにも会えるじゃろう。

今回の話は性的な関係をヒルダが理解するための話ですが、一言「わしも学習したのじゃ」ですむことなので、第23話にそのシーンを挟みます。よってこの回はなくても一向にかまわないのです。えへへ。

第23話は同時公開しています。

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