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第31話 実践訓練その2と護衛依頼

 漸く書けましたッ!

 リアが近接戦闘の訓練を行うようになって二週間後。


 「・・・・・・やあッ!」


 気合の入った声と共に正面のマッドゴーレムに向かって、メイスを振り下ろす。

胴体に吸い込まれるように入った攻撃は、表面の泥を弾き飛ばして中のコアごと打ち砕くと、勢いを殺さずに左右へとメイスを払って周りにいるゴーレムも薙ぎ払ていく。

 だが、ゴーレム達も黙ってはいない。

この二週間で数は三桁を超えているが、ゴーレム達も複数の種類が存在している。

 一種類目は、ソルジャータイプ。今まで使っていたのと同じノーマルタイプのゴーレムで、平均的な能力を持っている。

二種類目は、ローグタイプ。機動性を上げたスリムタイプだが、細長い胴体を駆使してノーマルタイプの隙間から攻撃してきたりとトリッキーな行動が特徴的なタイプだがその反面耐久力がノーマルタイプより低い。

三種類目は、タンクタイプ。防御力に特化したタイプで両腕が他のタイプと違い、大きくなっており後方への攻撃を防ぐ一方で近接戦での高い攻撃力を持っているがその足は鈍足。

四種類目は、アーチャータイプ。遠距離攻撃を可能とするタイプだが、実態は泥団子を投げつけるだけだが顔に当たれば視界は遮られしまったり、場合によっては意識を失う危険がある。

 そして、最後に五種類目に指揮官型が存在する。 このタイプにはコアとして他よりもランクの高い魔石を使用しているので、保有する魔力が多く消耗した戦力を回復させることが出来、尚且つ魔石に書き込んだ術式によって部下である他のゴーレム達を動かすことが出来るのでケネスはほとんどやることがない。

 あるとすれば、各指揮官型ゴーレムに指示を出す総指揮官型ゴーレム命令するぐらいしかない。

ただ、ここまで来るのに膨大なトライ&エラーがあったのは言うまでもないだろう。

 最初の時には、基本な動作(前進・後退・右折・左折・攻撃)しか出来ずに多くが撃破されていき、泥の山を量産していった。

手作業で術式を書き足していくことにも限界を感じた時に、思いついたのがニーベルングの特殊能力「英霊召喚」で召喚した英霊に指揮をしてもらって、使用した戦術や戦闘内容をを戦闘データとしてフィードバックしていくことを繰り返していくことだった。

 その結果、マッドゴーレムたちは異様にレベルの高い集団戦闘が可能となってしまった。


 「くっ!・・・・・・「アイスランス」ッ!」


 周囲のゴーレムを片付けると、アーチャータイプを叩こうと魔法を放つがタンクタイプが壁となって有効打にならない。

泥で形作っている為に炎魔法は効きが悪く、水魔法も効果は同じで表面を削るだけでだったりコアを移動させて倒れた仲間の泥を使って復活してきたりと、始末が悪い。

 土魔法や氷魔法は質量を持っているのだが、そもそもコアにあたらなければ倒せないので乱戦状態だと牽制にしかならない。

 故に確実に撃破が出来ていない今のリアの実力だとやられるのは時間の問題だった。

 

 「いい加減に、倒れなさいッ!」


 彼女も善戦していたが、やがて力尽きる。

動きが鈍った所をローグタイプが接近して両足を拘束して、ノーマルタイプがリアを中心としてサークルを形成、そこに残ったアーチャータイプが泥団子を投げ込む。


 「・・・しまったッ!・・・きゃあぁぁぁッ!」


 泥団子の影が見えた時にはもう遅い。

複数の泥団子を浴びたリアは戦闘不能判定が確定した。


 「・・・そこまでッ!」


 俺の終了の合図と共にゴーレム達は停止する。

サークルを作っていたノーマルタイプがばらけて、リアの姿が見えたが中々ひどい状況になっていた。

 髪と着ている服は泥だらけで、むしろ汚れていない所を探すのが苦労するぐらいである。


 「・・・負けた」

 「調子に乗って、ゴーレムの数を倍でお願いするからこうなるんじゃないか?」

 「行けると、思ったから」

 「そういうのが慢心なんだと思うよ。これがゴブリンとかだったら、巣に持ち帰られて死ぬよりも酷い目にあう」

 「そう・・・だけど」

 「兎に角、リアは完全な後衛職なんだから近接戦闘は自衛のみでいいと思う。前衛は俺がするから」

 「それだと、ケネスが全部倒してしまうからダメ」

 「個人的にはその方が良いんだけど」

 「旦那様、よろしいでしょうか?」


 どう説得しようか悩んでいると、ラページが声をかけてくる。


 「何かあったか?」

 「はい、実は王国騎士団の総長様が旦那様にお会いしたいと」

 「騎士団総長が?何のようだろうか?」

 「恐らく、リア様が行っているこの訓練のことでしょうか?ここの所、騎士たちの練度が低いと嘆いておられましたから」

 「えっ?!そんなに低いのか?この国の騎士団」

 「いいえ、ベテラン騎士たちは問題ありませんが。若手の騎士たちが問題なのです、実戦を経験していない者が多いので」

 「成程、それでこの訓練を使いたい、と」

 「恐らくは」

 「分かった。ではまずリアはお風呂に入って来てください。食堂の方に軽食を用意していますので」

 「・・・うん。また後で来て」


 カーナさんに後を任せて、応接室に向かう。

今回のことについては、本人から聞かなければ理由など分からないので幾分足早に歩いていく。

 応接室に着くと、ソファーの前には騎士服の上から鍛え抜かれた肉体を持つ偉丈夫が立っている、蓄えた口髭が渋さを醸し出して、鋭い眼光が歴戦の猛者だというのが分かった。


 「お待たせしました。どうぞお掛けになってください」

 「突然の訪問、失礼します。儂は、王国騎士団を預かるブロームと申します」

 「それで、本日はどの様なご用件でしょうか?」

 「・・・エステリア王女殿下からお聞きしまして、ケネス殿が行っている訓練について伺いたいと思いまして」

 「その訓練とは、マッドゴーレムを使った物でしょうか?」

 「はい、私もこのところ若手の騎士たちの実力が芳しくないと感じているもので、是非ともお願いしたい」

 「・・・分かりました、お受けいたします。ですが、私はカーソン伯爵家 次男エバン=カーソンに領内を案内してもらう予定がありますので」

 「成程、予定がありましたか。戻られるのは何時ごろですかな?」


 顎髭を指で撫でながら今後の予定を聞いてくる。


 「・・・移動を考えますと、一か月ほどでしょうか?」

 「では、戻られましたら王城の方にご連絡をお願いします。依頼に関して詰めていきたいので」

 「はい。こちらこそお願いします」


 互いに握手をして話し合いは終わった。

ブローム騎士団総長にはお土産として、お菓子をいくつか包んで渡しておく。

 確か、騎士団総長には子供がいると聞いていたので丁度いいと思う。

渡したときは、多少驚かれたが最後は笑っていたので大丈夫だろう。


 「さてと、騎士団総長が来たのは驚いたがカーソン伯爵領にはどれくらいかかるかな?」

 「カーソン伯爵領でしたら、王都から馬車で片道一週間から十日ほどですな」

 「以外と遠いな」


 片づけに来たラページがケネスの疑問に答える。

往復、二週間と考えると滞在できるのは一週間くらいか・・・でも、ゲートを使えば帰りは一瞬だな。


 「ついでに冒険者ギルドに行って、何か依頼がないか見てくるか」

 「畏まりました」







久方ぶりにイゼルナとリアを連れて冒険者ギルドに向かう。

昼時だからか冒険者の姿は少なく、受付も列を作っていないので簡単に行くことが出来るがまずは依頼の貼ってある所に行く。

 Aランクの依頼は基本的には貼っていないのでBランクの依頼表から流し見ていくとDランクの依頼に視線が止まる。

 

 ・王都南部サレルノまでの商隊護衛


 依頼者:トーラス商会



 トーラスさんの商会からの依頼があった。

サレルノは確かカーソン伯爵領のお隣で王国南部の纏め役である「リーズ侯爵家」の領都だったはず、ここには大きな港があってリーズ家は貿易関係で成功していると聞いたことがる。

 資産家としても有名でこの護衛もトーラス商会の新商品の売り込みが主であろう。俺としても交易品には興味があるし行ってみる価値はあるな。

 依頼の期限は明日からだがまだ大丈夫だろうか?


 「すみません。この依頼はまだ受けることが出来ますか?」

 「・・・トーラス商会の護衛依頼ですね。少しお待ちください」

 「はい」

 「・・・ええと、この依頼には既に三名の方が受けております」

 「定員はあと何名ですか?」

 「ええっと・・・三名受けることが可能です」

 「二人とも、この依頼を受けてもいいかな?カーソン伯爵領に行く途中までだから丁度いいと思うんだけど」

 「私は、主にどこまでもついて行きます」

 「・・・私も行く」

 「いや、リアの場合はまず陛下の許可が必要だろう?」

 「絶対について行くから、登録してッ!」

 「・・・参ったな」

 「登録の期限は明日の朝までですから、許可を貰ってからでも遅くはないかと思います」

 

 どうしようか困っていると受付嬢が依頼の登録期限を告げる。

確かに、今はそれしかないだろう。

 

 「では、まずその依頼に俺とイゼルナの二人の登録をお願いしても良いですか?」

 「畏まりました。もう一方は、翌日に行うという事で宜しいでしょうか?」

 「ええ、それでお願いします」

 「・・・むぅ」

 「むくれてもだめだ。まずは許可を貰ってくること」

 「・・・わかった」

 

 その後屋敷に帰る途中食糧品や医薬品を買い込み、準備を整えていく。

 屋敷に戻るとリアはすぐさまに王城に行こうとしたので、何故明日の護衛依頼にいきたがるのか聞いてみると。


 「でも、なんでそんなに行きたいんだ?」

 「新しい土地=新しい食材と新しい料理、だから」

 「・・・・・・そう、か」


 自信満々に答える彼女に頭を抱えたのは、仕方ないと思う。

そんな感じでやる気に満ちたリアをゲートまで送り、明日の支度を用意していく。

 馬車には魔道具を使って一般的な幌馬車に見えるようにしておくなど、少しバタついたが概ね終わるころには、夕食の時間となっていた。

 リーズ家は、貿易などに力を入れている家なので街道の警備には一際力を入れているはずなので道中は比較的安全に進むことが出来るだろう。

 明日に備えて俺は寝ることにした。




 仕事が忙しく遅くなって申し訳ありません。

読んでくれている皆様のお陰で30万PVを超えることが出来たことに本当に感謝です。

 これからも修正点・感想・ブックマークよろしくお願いします。

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