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第2話 ステータス?

 やはり、赤ん坊からだと書きにくい。

 この異世界に転生した翌日。


 (ここは・・・ああ、そうか俺は転生したんだったな)

 

 未だにうまく体を動かせないが、何とか顔を動かして周囲を見る。

 自分が寝ているのは赤ちゃん用の小さなベッドがある大きめの部屋だ。

 しかし、前の世界みたいに電化製品の類は見当たらない、神様に聞いたとおり魔法の文化が発達しているのか見慣れない物が多い。

 ベッドは窓に近いのか暖かな日差しが心地いい、時間的には大体昼くらいだろう。

 

 (そうだ、転生したんだから確かめないと、ステータス、オープンッ!)


 名前:ケネス=フォン=ホラント

 種族:人族 年齢:零歳 性別:男

 レベル:1


 体力:58/58

 魔力:13578/13578 

 能力:S+


 ユニークスキル:神眼 創造魔法Lv10 

 加護:創造神の加護

 称号:創造神の観察対象 転生者 ホラント辺境伯家三男


 (・・・あれ?これだけ、いやしかし記憶持ちで転生だけでもかなりの好待遇だし、他の魔法スキルはないのか?・・・でもまずは確認だな)


 創造魔法:魔法スキルの創造が可能。 創るスキルにより消費魔力が異なる。

 神眼:鑑定LV10・世界地図の複合スキル

 創造神の加護:全体能力強化(極)創造魔法習得


 (・・・他の神様の加護がなくても、十分におかしいよ・・・ね)


 ケネスは確認した内容に感情が追い付かない。

 それからしばらくは人形のように身動きが一切できなかった。




 お昼を少し過ぎたころ、入り口のドアが開かれてメイドさんが入って来た。

 イギリスメイドみたいな足元まであるメイド服に彼女の栗色の髪が全体的に落ち着いた感じを出している。


 「失礼します。・・・ケネス様、起きていらしたんですね。今、ニーナ様をお連れしますね」


 彼女はそう言うと、直ぐに部屋を離れる。

 それから少しして、再び入ってくると彼女の後ろにはきれいな女性がいた。 

 彼女は昨日転生した時にあった今世における俺の母親。腰までのばした銀色の髪にエメラルド色の瞳がきれいな人で、おまけにスタイルもよく仕立てのいいドレスを着ている。


 「ケネス、起きていたのね。私はニーナ、あなたのお母さんよ。そして、あなたはケネス、ケネス=フォン=ホラントというのよ」


 そういうとニーナはケネスを持ち上げて抱きかかえた、母のぬくもりなのか不思議と安心感がある。


 「ニーナ様、まだケネス様にお話しされてもわかりませんよ」

 「いいのよアニス、例え分からなくてもこの子はようやく授かった私たちの子供なのだから」

 「さてと、ケネス。あなたのお父さんに会いに行きましょうね」

 「う~?(父親に会いに行くのか?)」


 彼女は優しく微笑むとケネスを抱きかかえながら歩きだす。

 まだ世界地図で確認していなかったのだが、この家はかなり大きいみたいだ。

 通り過ぎたドアの数はもう二桁になるが、まだ父さんの部屋にはついていない。

そして、ようやく目的の部屋に到着した。


 「失礼します、旦那様。ニーナ様とケネス様がお見えになりました」

 「うむ、入れッ!」

 

 威厳のある声で返事があると、アニスはドアを開けてニーナとケネスを先に通す。

 そこは執務室なのか向かい側には大きな机が置かれていて、金髪の偉丈夫が座っているが彼の両脇には恐らく書類だろう物がうず高く山脈を築いている。

 

 「ニーナ、体の方はもういいのか?」

 「ええ、もうすっかり。それよりもカイン、この子を抱っこしてみて」

 「そうだな、ケネス。父さんだぞ、分かるか?」

 「あう(分かるから、髭でジョリジョリするな!痛いから!)」


 ニーナから我が子を受け取ったカインはそのまま頬ずりをしてきたが、剃り残しの髭があったのか卸したてのたわしのごとくケネスの頬を削ってきた。


 「ちょっと!何をやってるんですか!ケネスが痛がっていますからやめてください!」

 「おおっとすまん」


 カインの行動に驚いたニーナは直ぐにケネスを取り返した。

 そのまま、アニスに渡して部屋へと連れて行ってもらう。

 アニスたちが十分に離れたのを確認すると、アイテムボックスから得物の杖を取り出す。

 それを見たカインは顔を青くした。


 「ま、待ってくれ、ニーナ!今のは悪かった!謝るからそれを・・・」

 「問答無用!!・・・サンダーボルト!!」

 「・・・・・・ぎゃあああああああああああああ!!!」


 大分執務室から離れているはずのケネスの部屋にまで声が聞こえた。




  それからは基本的に起きる・ご飯・寝るの繰り返しだったが、何もしないのはつまらないので創造魔法を試してみようと思う。

 最も既存の魔法は後でいくらでも覚えられるので、なさそうな物を考えていく。


 (まずは、召喚魔法か?)


 鑑定スキルには辞書みたいな機能があるので調べると、召喚魔法は分類上闇魔法に属している。

そのために忌避する国もあるのだが使役できれば貴重な戦力となりえるので有力な召喚士は国によってかなり厚遇されるみたいだ。


 (ともかくやってみるか!・・・創造・召喚魔法!と発動!)


 部屋から魔力が出ていかないように気を付けながら、必要な魔力を出していくと。

 魔法陣の光が強くなり、やがて人型に形を成すと姿を現す。


 「召喚に応じ、参上いたしました。御屋形様、我が名はカスミとお呼びください。あなたにお仕えできて光栄です」


 魔方陣が消えるとそこには、アーバンレッド色に染め上げた忍服を身にまとった少女がいた。

見た目は十代後半くらいだが、優し気な表情の奥には父よりも強い力を感じる


 (あれ?召喚の次は契約ではないのか?)

 「私は、御屋形様のユニークスキルから呼ばれた存在ですので契約はすでに終わっています」

 (声には出していないはず)

 「御屋形様とは念話で会話が可能ですので、すべて聞こえていますよ」

 (そうか、ありが・・・たいな。眠くなってきたな)

 「おそらく、スキルの創造と私の召喚で魔力が底を突いたのでしょう。どうかこのままお休みください」

 (分かった。ならカスミ、俺はこの世界のことをなにも知らない。調査をお願いしてもいいか?)

 「任務、承りました」

 

 カスミが頷くと同時にドアが勢いよく開かれる。

飛び込むように入ってきたのはアニスだった。


 「ケネス様、ご無事ですか?・・・あれ?」


 ケネスとは異なる気配を感じたアニスは得物である双剣を手に部屋に突入したのだが、そこにはぐっすりと寝る赤ん坊以外誰もいない。


 「おかしいですね。確かに誰かがいた気配がしたのですが?」


 首をかしげるアニスをよそにケネスは魔力回復のために爆睡をしていた。











 次回くらいには主人公は動き回れるはず

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